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あっしら氏のデフレが資本主義で避けられないもの、つまりは
宿命のようなものだという意見に触発されて、思うこと。
なぜ、米国は貿易収支で赤字であり、資本収支で黒字か。
米国の多国籍企業の基本は生産は海外、消費は国内の戦略だ。
これはあっしら氏のデフレ要因のはず。
米国のどんどんレイオフをする経済体制でなぜ、米国の株が騰がる?
その前に、ちょっと回り道する。
実は、米国の株が騰がり始めたのはこの10年前後のことであり、
それまでは、戦後数十年1000ドルから2000ドルの
往来相場だったのだ。
とすれば、当然この数年の急激な株価急騰には原因がある。
それは、日本と同じ事をしただけ。
つまりは、融資業務だけをするべき米国の商業銀行が株式市場に
参入を許されたのが需給面での原因だ。
ちょうど、BIS規制で日本の銀行が株を手放さなければ
ならない状態に陥ったのとは逆に、米国では商業銀行が、
証券市場への参入規制が緩められた(笑)。
その後、ヘッジファンドはそれまで以上に暴れ回り巨大化する。
言うまでもなく、欧米の銀行からの資金流入である。
(グリーンスパンがこの株価はバブルだと言っても止まらない。)
なにしろ、ソロスに代表されるヘッジファンドは、90年以降、
日本株の空売りで大儲けし、同時にポンド切り下げでも英国の
中央銀行にさえ相場で打ちのめした。
97年に彼らはアジア危機を起こし、98年はロシア危機を起こす。資金の急激な流入と流出。
そしてとうとう、足下の米国で金融危機を引き起こす。
ロシア危機で、なんと今話題のノーベル賞をもらった経済学者が
自ら運用するヘッジファンド!LTCMの破綻である。
想定投資金額1兆ドル!!!!!(アホか)
この時、米国はどうした?
市場原理主義だ、自己責任だ、大きすぎて潰せないことはない。
と、言いましたか?
「ただの投資ファンドであるLTCMをNY連銀が救済したのだよ。」
どうして?当たり前だ。
米国は資本収支で食っている国だ。
米国の資本家が破綻すると米国自身が破綻するからだ。
税金で救うのは当然ということだ。
彼らの市場原理主義の意味がどういうものか伺いしれる。
このレバレッジされた資本市場の構図は今も続いている。
レバレッジが外れる時が、バブルの消える時。
日本と同じだ。
単純に、米国のように従業員を解雇し、企業収益を上げ、企業の
価値を上げても、日本のように持ち株を金融機関が手放さなけ
ればならないようなら、かれらがそれをすべて手放すまで、
株価は永遠に騰がらない。つまり、資本の生み出す利益が、
日本人の従業員から資本家へ移る時、それが海外投資家に流出す
るなら、永遠にデフレは続く。
ところで、日本にはグローバルに対応した資本市場育成策はないに等しいね。