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不良債券処理を加速するなら当然、安全ネット拡充が必要だが、政治的にはまさに綱渡り状況か。

http://www.asahi.com/business/update/1008/007.html
小泉首相は８日、不良債権処理の加速に伴う失業や倒産の増加に備えたセーフティーネット（安全網）整備のための補正予算について、「どういう案が出てくるか見て判断するしかない。総合対策だから」と述べ、総合デフレ対策をまとめたうえで、雇用対策や中小企業対策のための補正予算編成に柔軟に取り組む姿勢を示した。首相官邸で記者団に答えた。首相にとっては、金融行政に続く、財政政策での大きな政策転換となる。

　首相は、補正予算の財源については「３０兆円でできるかどうかも、これからの話でしょう」と述べ、当面は雇用保険を中心とした特別会計による雇用対策や、財投資金の活用などを念頭に置き、国債発行３０兆円の枠内で検討する考えを示唆した。ただ、与党内で景気刺激を狙った大型補正を求める声が高まることは必至で、規模や中身、さらに財源をめぐり、首相にとっては厳しい調整が続きそうだ。

　これに関連して、自民党の山崎拓幹事長は８日午前の記者会見で「構造改革を進めることが大前提で、その点での調整を首相がどう考えるかだ。財政構造改革の理念のもとで、どのような補正予算が可能か考える」と語り、党としても検討に本格着手することを表明した。

　麻生太郎政調会長が自民党役員会でデフレ対策に迅速に取り組む考えを示したことについても、山崎氏は「麻生政調会長が役員会で説明したデフレ対策の考えのなかには、補正予算も含まれている」との認識を示した。編成時期については「だらだら検討することにはならない」と語り、必要な場合は臨時国会で対応する考えを示した。

　一方、竹中経済財政・金融相も同日午前の記者会見で、雇用対策や中小企業対策などのデフレ克服策に関連して「今年度何をやるべきか、来年度何をやるべきかというシナリオをつくることが重要。予算の枠組みはその上で議論すべきだ」と述べ、補正予算編成の可能性に言及した。

　国債３０兆円枠については「１０年でプライマリーバランス（財政の基礎的収支）を回復させる中期的なシナリオを崩さないことが一番シンプルなメッセージだ。３０兆円枠はそのスタートラインとして財政を方向転換する意味で重要だった」と述べ、今年度の３０兆円枠に必ずしもこだわる必要はないとの考えを示した。

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