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(回答先: 金解禁に対する井上蔵相の認識不足。 投稿者 hou 日時 2002 年 11 月 02 日 11:22:25)
為替相場が低落すれば、輸入品は割高になるから、輸入原料に依存する紡績業や鉄鋼業などは、当然、不利になるのを免れなかった。
また為替の動揺は、輸出産業にも大きな障害をもたらしたから、製糸業のような国内原料に依存する国内産業も、しだいに低為替相場からうける輸出の有利さも失った。
もともと、金融界は、金解禁に対して慎重論の強かった。
金融恐慌後、資金が大銀行にいちじるしく集中するようになり、他方、景気が回復しないとなると、銀行自身が困り始めた。
そのうえ銀行は、金融恐慌後の資金の集中によって体質強化されていたから、解禁によって相当デフレがおこっても乗り切る自信があった。
また、金解禁後はアメリカで一儲けしようと言う目論見もあった。
そうした、金解禁論には、為替の不安定に悩まされていた商社も大いに同調した。
日銀の 深井 英五は、
「徹底さる理解にあらずして、ただ沈滞を脱せんが為に局面の変化を希望するものもあった。」
とし、一般に金解禁をすれば
「一時的には寧ろ不景気を忍ばねばならないことを忘れている」
しかも国際的に見てもほとんどの主要国が金解禁をしておりそのもとで経済が好調だった。
その上当時、日本は外債を募集して正貨を補充しなければならない状況であった、ところがイギリス・アメリカでは、日本が金解禁に踏みきらなければ、外債の借り換えに応じないという空気が強かった。
田中内閣の末期には、いやでも金解禁に踏み切らなければならなければならない状況になった。