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(回答先: 金融相:続投に意欲示すが公的資金注入は「不要」−官邸と真っ向対立 投稿者 ご破算に願いましては 日時 2002 年 9 月 27 日 11:33:11)
不良債権処理加速の具体策検討が進むなか、政府・与党内で、銀行への資本注入の手法で2つの選択肢が浮上している。金融機関に対する予防的な資本注入とRCC(整理回収機構)を通じた間接的な資本注入。金融安定化に向けた資本注入に慎重な柳沢金融担当相の内閣改造での去就を含め、小泉首相の政治決断に委ねられている。
金融機関への資本注入やRCCによる実質簿価(債権の簿価から貸し倒れ引当金を引いた価格)買い取りの議論が広がるなか、福田官房長官は26日、「そういうことを含め、全体像をどうするか、それをどう実行するか、その手順について、金融庁に慎重な検討をしてもらっている」と述べ、資本注入の手法をめぐっての検討が行われていることを明らかにした。
実質簿価での買い取りについては、「多額の税金投入になり避けるべき」(麻生自民政調会長)など、政府・与党内で、肯定的な声は聞かれない。ただ、寺西全銀協会長が広い意味で言及した”実質簿価”の考え方については、「選択肢のひとつになる可能性がある」(与党筋)との指摘が挙がっている。
寺西全銀協会長は、「われわれとしては、時価を考えるときに、企業の解散価値といった、しゃくし定規な考え方ではなく、企業がこれから生き延びていくことを前提にゴーイング・コンサーン・ベースで考えてほしい。簿価から引き当てを引いたものに企業の価値が含まれるとも考えられるため、場合によっては、それをひとつの要素としてゴーイング・コンサーン価値を考えていくこともありうるのではないか」と発言、”時価”の考え方に一石を投じた。企業の解散価値を前提にした買い取りが、買取価格を低く抑え、RCCを利用した不良債権処理加速の障害になっている、との見方だ。
こうした考え方に対して、与党内でも、「金融機関の厳格な引き当てを阻害する」、「本来きちんとした引き当てが行われているかどうかが出発点で、その結果としての2次ロス負担を国民は納得できるのか」−−など、拒否反応が強いことも確かだ。
もうひとつの選択肢は、貸出債権の査定を厳格化し引き当てを強化、その結果、過小資本行に公的資金を注入するもの。現状が過小引き当てであることを政府が認知できるかどうかが最初のハードルとなっている。
これに対して、金融庁では、予防的な資本注入では、預金保険法など現状の枠組みでは困難、との見方が根強い。引き当てについても、「不良債権はその期その期で認識し、引き当てを含めて適正に処理している」(幹部)との認識だ。一方、RCCの買い取りについては、引き当てが適正に行われ、企業のゴーイング・コンサーンベースで買い取り価格を設定すれば、時価と実質簿価との差は縮まる、と肯定的な見方も出ている。
一方、日銀は、金融システム安定化策として、中央銀行としては異例の銀行保有株式の買い入れ方針を発表した18日、「不良債権問題についての基本的な考え方」を近く公表すると表明している。公的資金注入に対する考え方はその柱のひとつになるとみられ、10月上旬に予定される経済財政諮問会議を視野に作業を進めている。