現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: これにも一応回答。 投稿者 名忘れた 日時 2002 年 9 月 21 日 10:19:59)
根源的なデフレ要因は何かとの問題意識ですが、私はこのスレであっしら氏が展開している余剰通貨論は核心を突いていると思います。ケインズの言葉で言えば流動性選好というヤツです。貨幣を獲得した経済主体が消費か、貯蓄を経由した投資(経済学的な意味での投資)に回れば問題ないわけですが、貨幣そのものが選好される。これがデフレの原因だと思います。
その意味では、デフレの芽は日本経済に80年代から存在したのであり、たとえバブルの生成と崩壊がなかったとしても早晩頭をもたげた問題だと捉えています。金融の自由化をしなければデフレも起きなかった、デフレの原因は金融要因だという意見には与しません。
榊原氏の構造デフレ論に絡んで、低金利が持続するなら膨大な累積赤字も問題ない、と言ったのは、当然それ以上赤字が累増しない、何らかの方法で減少してゆくことを前提とした議論です。榊原氏は政府紙幣発行後の政策につき詳論しておられませんから、どのように累増の防止を実現するのか分かりませんし、私が批判した「デフレ構造に合わせた体制」という考えはそのことも含んでいます。
ただ、榊原氏も指摘していた通り、今度のデフレを相当に根の深いものとして認識する態度は重要でしょう。それも日本に限らずグローバルな現象となり、スタグネーションを超えてディプレッションに各国経済を導いてゆくものだとするならば、ちょっとやそっとのことでは解消不可能です。政府が発表することになっている「デフレ対策」などでは到底歯が立たないでしょう(現場レベルでも、政治家から対策を求められる度に脳髄を振り絞る「言葉遊び」にもはや疲れ果てています)。