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(回答先: 基準地価、11年連続で下落【日経ネット】 投稿者 jimmy 日時 2002 年 9 月 19 日 18:19:13)
くすぶる持ち家課税論
「帰属家賃」が50兆円、GDPの1割に
持ち家のみなし家賃(帰属家賃)
持ち家を自分に貸したとみなす統計上の「帰属家賃」が膨らみ、約50兆円にも達している。国内総生産(GDP)の約1割にあたる規模は主要国でも突出して大きい。相次ぐ景気対策で住宅建設が促進され、持ち家が増えた一方、連動する賃貸住宅の家賃相場が高止まっているからだ。持ち家を優遇してきた日本の住宅政策の結果ともいえる。一部の外国のように帰属家賃に課税すべきだという意見もくすぶっている。(山下努)
●賃貸と不平等解消遠く
帰属家賃は90年度の約33兆円から増え続け、00年から50兆円規模になっている。
90年代に景気対策のため、住宅ローン減税の大盤振る舞いのほか、住宅金融公庫の低利融資の拡大で住宅着工が大きく伸びたため、持ち家が増えたことが大きい。
しかも、地価がバブル崩壊後大きく下がったのに、賃貸住宅の家賃は統計上、高値のままになっている。
帰属家賃を計算するもとになる賃貸住宅の調査では、値が安い新規供給物件よりも、既存の物件で据え置かれたり、更新時に値上げされたりする継続家賃が反映されやすい。
GDPに占める帰属家賃の比率は日本が10%なのに対して、欧州の主要国が5%程度、日本と同様に持ち家を偏重している米国でも7%台だ。
規模の大きい帰属家賃はGDPを実態よりも過大にみせてしまう効果もある。
日本では、持ち家は帰属家賃が課税対象になっていない。相続税負担などでも賃貸住宅より有利になっている。
貸家は大家の賃貸収入に所得税が課税され、それが賃貸料に転嫁される一方、減価償却費などが所得控除でき、持ち家より有利な面もある。こうした税制のばらつきを修正するために帰属家賃課税を提唱する学者は多い。
日本では夫婦と子2人の標準世帯の場合、所得税の課税最低限が引き上げられたうえ、住宅ローン減税などの特例措置が設けられた結果、900万円程度の同じ所得でも、新たに家を買った持ち家派はほぼ免税である一方、賃貸派は80万円以上の税金を納めるという不公平が実際に生じている。
消費税導入の際も帰属家賃の扱いが隠れた争点だった。当初は、賃貸の家賃は課税され、帰属家賃は課税されていないため学者の間で「不公平論」が起きた。
実際にこれまでデンマークなど欧州の一部で課税された実績がある。「日本では、帰属家賃に1%程度課税すれば、住宅減税による直接の税収の落ち込みの5千億円程度を取り戻せる勘定だ」(財務省幹部)という見方もある。
住宅メーカーでつくる住宅生産団体連合会は「21世紀に向けての住宅政策の視点」という政策提言のなかで、帰属家賃課税を伴った土地住宅税制の改革案を提起している。持ち家の帰属家賃に課税する一方で、持ち家の住宅ローンの利子費用の所得控除を提案し、建物の固定資産税の減免も併せて示した。ただ、貸家と持ち家の税制上の不平等の解消はまだ始まってはいない。
財務省の税当局は「課税は必ずしも経済理論に基づいているわけではない。所得がないと払えないし、帰属家賃は観念的で、個々の計算は難しい」という立場だ。
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◆帰属家賃(持ち家のみなし家賃)
持ち家の家計も、自分に帰属する資産としての家から居住空間の提供というサービスを受けているとの考え方。主に国内総生産(GDP)の統計で使われ、個人消費を示す民間最終消費支出の項目に入れられる。賃貸住宅の生活者の家賃は消費支出に含まれるので、バランスをとるために計上されている。賃貸住宅の賃料の統計調査をもとに住宅面積をかけ合わせて推計され、毎年の新規住宅着工分が加算される。実際の家賃の受け渡しはない。日本では非課税だが、欧州の一部で課税される。
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なんだか、ややこしいことですが、日本のGDPには、こんな
ものまで含まれていたんですね。