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(回答先: 「通貨の番人」、最後の賭け 禁じ手の株直接購入 (朝日新聞) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 9 月 19 日 04:29:40)
日銀の突然の決定に、当の銀行業界には、株価下落による保有株の含み損拡大、財務体力の悪化というリスクにさらされ続けるなか、大勢は歓迎している。ただ、戸惑いが広がっているのも事実だ。
「選択肢が広がって株が売りやすくなるのは助かる」と、4大銀行グループの幹部は安堵(あんど)の声を漏らす。
株価変動リスクを減らすため、各行とも保有株式の売却を進めている。株価低迷下での売却は、売却損が発生して銀行決算に悪影響を与え、それが株価下落を促進させるという悪循環に陥っている。このため、売却計画は思うように進んでおらず、みずほグループは今年度8000億円の売却を計画しているが、「株価が低迷した7、8月は売るに売れなかった」という。
日銀が株を購入すれば、銀行は、その後の株価下落を心配せずに保有株を売却できる。さらに、市場が日銀の決定を好感すれば、株価全体の押し上げ要因になるとの期待も強い。
だが、日銀の買い取り価格が時価とされることには懸念もある。「今の価格で売れば損が出るのは同じ。損を覚悟してまで株を売ることはない」と、日銀への売却は進まないとみる大手銀行関係者もいる。
また、日銀は買い取り基準を「検討中」としているが、経営状態が悪かったり、株価が低迷していたりするような「信用リスクの高い株」は除外される可能性が高い。このため、銀行が持ち込む株すべてが買い取られることは難しいとみられる。
実際、銀行の保有株売却対策のため、現在「銀行等保有株式取得機構」があるが、買い取る銘柄に制限があるほか、銀行は売却に際して8%の拠出金を支払う必要があるなど厳しい条件が付いているため、機構の買い取り実績は上がっていない。とくに、「経営不安がささやかれる企業の株まで日銀が買い取ってくれるかどうか疑問だ」という声も聞かれる。
公的資金注入と同様、今度も日銀の負担による銀行の「救済」の側面を心配する銀行もあるが、今回、そうした声は少数派だ。むしろ「日銀はよくやっていただいた。しかし、金融システムの安定にはこれだけでは十分ではない」(大手銀行企画担当幹部)との声すらある。不良債権処理促進に向けたさらなる施策を求める声が出始めている。