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(回答先: デフレ、構造改革など>あっしらさん 投稿者 たにん 日時 2002 年 9 月 18 日 02:18:32)
>>1 あっしらさん:10兆の黒字企業給与増(資本化される通貨)+3兆円の恒久
>>的「低中所得者減税」
>本当に今の状況で、貯蓄や、アジア製の家電、雑貨や食品のマーケットシェアの増大
>は無く、生産性の向上が無い国産企業の売り上げ減少は生じないでしょうか?
低中所得者は、高額所得者とは違って好んで貯蓄を増加させているのではなく、所得がいつ絶えることになるかわからない不安、日本経済の不況がこのまま永遠に続くのではないかかという不安、老後の生活は国家から見捨てられることになるかもしれないという不安のために、消費支出を我慢して貯蓄に回しています。
日本人は、日本企業及び日本製に品質的信頼を寄せています。
もちろん、エスニックな雑貨も人気ですが、日本国内で生産している高機能・高品質・高価格製品への需要増加(売上&利益増加)にもっとも貢献します。
国内企業に生産性向上がないわけではありません。「デフレ不況」は、経時的な財価格の下落を伴うものですから、生産性を上昇させても通貨的に反映されにくいものです。
>>需要が増えても、国内に還流すること割合が極端に低いのであれば、どういう需要
>>拡大政策を採っても無効です
>だから供給側の問題も改善する必要がある、つまり生産性向上によって国内企業が価格競争力を身に付けること
>(構造改革)が必要だという意見が出るのではないでしょうか?
供給側の改善は、優良企業が給与を増加させることで供給量の増加を伴わない供給の増加を行って、マクロ的な需要を増加させることであって、供給を削減するという誤った政策を採ることではありません。
>それに加えて需要側の改善(給与アップ、課税システム見直し、等)で所得を増大さ
>れた低所得者が経済合理的に行動した結果として輸入が増加するならば、それは円安
>要因なので、それも国内企業の価格競争力を高めます。
本来的に円安が競争力上昇の源泉ではないのですが、この間進んだアジア地域における水平分業によりいっそう、円安が日本企業の国際競争力上昇に貢献しないものになっています。
日本は、原材料のみならず、海外への製造拠点移動で生産財まで輸入しています。
また、円安になったからと言って、需要規模が変わらなければ、財の国内販売価格は上昇しません。
円安で輸入価格が上昇しても、給与が増加するなどにより需要規模が拡大しなければ、国内販売価格は上昇せず、輸入業者が利益を圧縮させられるか、売れない財がより多く発生するだけです。
必需財は、輸入価格の上昇が国内販売価格の上昇につながります。その典型が食糧です。
利便財や奢侈財は、必需財に有効需要がとられるわけですから、販売不振がより深刻になります。
輸入価格が上昇すれば国内企業の価格競争力が上昇するというのは、輸入価格上昇=国内需要拡大ではないのですから、根拠のない幻想です。
さらに言えば、製品輸入のほとんどが日本企業の海外製造拠点からのものであることを忘れないでください。円安になったからといって、輸入がすぐに減少するわけでもありませんし、利益率が高いので国内販売価格を下げる余地もあり国内製造を含めた財の国内販売価格がすぐに上昇するという構造にはなっていません。