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☆今週の円･下値余地を探る展開に――日本の通貨政策が再び焦点
NAA 3110 : 2002/09/17 火曜日 07:57
【ＮＱＮ】今週の外国為替市場で、円相場は下値余地を探る展開が予想
される。前週末13日、黒田東彦財務官がデフレ対策として円売り介入の
可能性に言及し、海外勢を中心に円の先安観が強まっている。ドルの懸
念材料はなお多いが、しばらくは日本の通貨政策や悪材料にも焦点が当
たりやすいだろう。市場参加者の予想レンジも１ﾄﾞﾙ＝120―125円程度
と円安・ドル高方向に振れている。
黒田財務官の発言を受け、東京市場が休場となった16日のロンドン市
場で、円相場はほぼ２カ月半ぶりに１ﾄﾞﾙ＝122円48銭まで安くなった。
輸出企業から円買い注文で、122円台半ばでは円の底堅さも目立ったが
、対ユーロなどではその後も円売りが途切れずに入った。これまで膨ら
んだ円買いの持ち高調整に加え、新たに円売りに持ち高を傾ける市場参
加者も現れた。ニューヨーク市場の終値は東京市場13日の終値比で２円
32銭円安・ドル高の１ﾄﾞﾙ＝122円20―30銭だった。
「デフレ対策で市場介入」との発言が材料になったのは、19日にも小
泉純一郎首相が明らかにする「緊急対応戦略」への期待感もそれほど大
きくないためだ。小泉首相は15日、柳沢伯夫金融担当相に不良債権処理
の加速を指示したが、金融庁は公的資金の再注入など踏み込んだ対策は
実施しない方針とみられる。外為市場ではもともと「構造改革は遅れが
ちで、日本の通貨当局はいずれ円安誘導に傾斜せざるを得ない」との見
方があり、黒田氏の発言は現実味をもって受け止められた。
しかも金融政策で円安が進む可能性は小さくなっている。日銀は17日
、18日の両日開く金融政策決定会合で追加緩和策について議論する見通
しだが、自民党が提案した上場投資信託（ＥＴＦ）購入など非伝統的な
金融緩和策に踏み込む可能性はほとんどない。株価低迷でリスクを取れ
なくなり、９月中間期末も近づく国内勢が対外投資に資金を振り向ける
余裕はなくなっている。日本がデフレ解消を目的として、通貨政策に軸
足を移したとしてもおかしくはない。
きょう17日は初の日朝首脳会談が開かれる。経済指標では８月の米鉱
工業生産・設備稼働率（17日）、フィラデルフィア連銀が公表する９月
の景気指数（19日）などに関心が高い。（今 晶）
☆前週の当局発言 黒田財務官「介入でデフレ解消」発言で円急落
NAA 3111 : 2002/09/17 火曜日 07:58
【ＮＱＮ】前週（９―13日）の外国為替市場で円相場は急落。週末13日
には６月下旬以来の円安・ドル高水準となる１ﾄﾞﾙ＝122円台前半まで売
り込まれた。ドルにとっての不安材料はなお残るが、米同時テロ一周年
を無難に通過したことに加え、13日の日米欧経済セミナーで飛び出した
黒田東彦財務官の一言であっさり消し飛んだ。
「デフレを克服する手段として、日銀が非伝統的な手法を導入してほ
しい」「最後の手段として、円を売って外国通貨を買う操作を大規模に
実施すれば、デフレを食い止めることができる」――。断続的に円売り
介入を実施した５月、６月でさえ、財務省首脳は「円の押し下げ介入」
と受け取られないよう慎重な言い回しに終始してきた。黒田氏は「他の
補完的な政策を採らなければ国際的にも受け入れられない」とも述べた
が、「円安誘導」と受け取られかねない発言に市場参加者の多くは驚き
を隠せなかった。
もともと市場には「日銀が非伝統的な金融政策を採用せず、国内で構
造改革が遅れるなら、財務省・日銀は円安誘導を再開するだろう」との
読みもあった。米国などからの反発も予想されるが、一方では「12日に
あった日米首脳会談の前後で何らかの合意ができたのでは」とのうがっ
た見方も出ている。（今 晶）
※円相場に関連した主な要人発言（カッコ内は発言後の値動き）
▼財務省の溝口善兵衛国際局長＝登庁時に、同趣旨の発言を繰り返す
「為替市場を注視する姿勢に変わりない」（ことごとく反応なし）
▼ブッシュ米大統領＝12日の国連総会で演説
〇「国連安保理決議が履行され、平和と安全保障の要求が満たされなけ
れば行動は不可避だ」（ドル売りでの反応も）
▼黒田東彦財務官＝13日夕刻、日米欧経済セミナーの席で
〇「日銀はデフレ対策として、非伝統的な金融政策を導入してほしい」
「円を売って、外国通貨を買う操作を大規模に実施すれば、円の価値を
下げ、デフレを食い止めることが可能」「（ただし）他の補完的な政策
を採らなければ、国際的にも受け入れられない」（円急落の主因に）
以上クイック
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