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２日の東京株式市場は日経平均株価が９０４９円３３銭で取引を終え、終値ベースのバブル崩壊後最安値を更新した。市場では、日米経済の先行き不透明感を背景に、不良債権処理の加速に伴うデフレ圧力に対する警戒感が台頭。銀行株のほか、金融支援などを受けて経営再建中の銘柄が売られるなど、企業の再編・淘汰に向けた選別の動きも見られた。
「体力が弱っているのに、外科手術だけを急げば患部が悪化する」と指摘する大手証券もある。株式市場でも、小泉政権は不良債権処理と景気浮揚策の微妙な舵取りを迫られている。
正午過ぎに、「不良債権処理の加速策を検討するプロジェクトチームに木村剛氏を起用の方針」というニュースが流れると、政府が不良債権処理で強硬策を取るとの見方が広がった。これを受けて、みずほホールディングスやＵＦＪホールディングスなど体力の低下が懸念される銀行株を中心に相次いで下げに転じたほか、電機や自動車など輸出関連株も勢いを失った。さらに、ゼネコン（総合建設会社）や流通を中心に、金融機関から債務免除など金融支援を受けた銘柄が大きく値を崩した。ハザマは前日終値比８円安の２４円、ダイエーは同２７円安の１４７円、トーメンも同１２円安の８３円で取引を終え、下落幅は１０％を超えた。
前日の米国市場は今年３番目の上げ幅だったが、企業業績の見通し難から底打ち感には遠く、東京市場で急反発を導くエネルギーに乏しかった。取引開始前の外資系証券の注文（１２社）も８営業日連続の売り越しで、外人投資家は本国での損失を埋めるための換金売りを続けているようだ。
野村証券金融研究所投資調査部の芳賀沼千里ストラテジストは「不良債権処理では、強い企業と弱い企業のしゅん別が進み、市場にとっては中期的にはプラスになる。日経平均は８８００円ぐらいで底を打つのではないか」と見る。しかし、ドイツ証券の武者陵司チーフストラテジストは「不良債権処理の加速は必要だが、減税などのセーフティーネット（安全網）とのバランスが欠かせない。政府が危機感を持って手を打たなければ８０００〜８５００円まで下がる可能性がある」と指摘する。【塚本弘毅、高橋秀郎】

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