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(回答先: Re: 米国株・ダウ平均346ドル高 イラク査察受け入れ好感 投稿者 jimmy 日時 2002 年 10 月 02 日 13:49:08)
内外政治経済・短期金融市場の動向 橘田週間リポート 9月30日号
●米国経済は「ハイテク企業を中心とする業績悪化」、「株安による逆資産効果」、「
イラク攻撃による経済悪化」という三つのリスクでバブルによる上昇分を相殺し、ダウ
平均株価は7,000ドル台そこそこへ低下か。株価下落の処方箋は見つかっていない●
今年の春先、「間違いなく景気は回復過程に入るであろう」と言われた米国経済は、
夏の終わりにかけて株式市場が再び軟化してさらに後退が強まり、景気の実態はデフレ
時代の到来を予感させる動きを強めてきた。こうした背景には、景気回復の初期によく
見られる、強弱が入り交じったまだら模様の経済が現在も続いている状況であるため、
強力な回復の柱が見えてこないことがある。最近の米国の経済状況は、過去10年間の日
本によく似てきたと論ずる向きが強くなってきた。すでに金利は過去約40年間の最低レ
ベルまで低下、FRBは日銀同様でゼロ金利政策を導入せざるを得ないのではないかと予測
するアナリストが多い。
9月24日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、短期指標金利であるフェデラルファンド
(FF)誘導目標金利を現行の年1.75%で据え置くことを決めた。また、当面の政策運営
方針も前回の「景気配慮型」を維持した。ただ、この決定にあたっては全会一致ではな
く、12人の委員のうち2人が利下げを主張した。FRBはFOMC後に発表した声明で「地政学
的なリスク」に触れ、対イラク攻撃の衝撃を睨んだ舵取りに動くことを鮮明にした。こ
れは、ブッシュ政権が対イラク攻撃に踏み切った場合、石油価格の上昇に加えて、個人
消費の冷え込みや株価の一段の下落、財政収支悪化に伴う長期金利の上昇などが懸念さ
れているからである。FRBにとって最悪のシナリオは、対イラク戦争が始まる前に株価下
落とか、個人消費の息切れが表面化して、緩やかな拡大を続けると判断している景気が
二番底を迎えることである。24日のFOMEで2人の委員が利上げを主張し政策金利据え置き
に反対票を投じたのも、二番底リスクを意識したものと言われている。二番底懸念が強
まれば強まるほど、先行き利下げ主張派委員は増えてこよう。
もしイラク戦が始まれば
、石油価格は上昇しインフレ圧力は強まるというのが過去の常識的な経済への見方であ
ったが、現状の経済情勢では、むしろコスト上昇となって企業活動にはマイナス効果の
方が大きい。利下げ効果は戦争の前と後とではどちらが大きいのか、経済への影響を推
し量るのは手探りになるため、利下げのタイミングは非常に難しくなる。91年の湾岸戦
争前後には、FRBは連続的に利下げに動いた。それでも90年後半から91年初めにかけ、3
・四半期連続でマイナス成長に陥った。現在FF金利は約40年ぶりの低水準にあり、利下
げ余地は乏しい状況にある。株安を背景に米国経済は二番底をつける状況にあり、一部
にはデフレ的見方も強まっている。しかしFRBが言うように、もし対イラク攻撃の衝撃を
睨んだ舵取りに動くことが鮮明になれば、地政学的なリスクは考えねばならないので、
なるべく利下げを温存しながらいざというときに思い切った手を打てる環境を整えてお
くことが、FRBに課せられた命題であると言えよう。景気が現状悪いからといって早期利
下げに追い込まれると、イラク戦が始まって戦闘行動が拡大した場合の不確実性の高ま
りへの対応余地は限られたものとなってしまう恐れがある。
現状FRBは、利下げをしなけ
ればならない経済状況にはあるが、イラク戦という、経済にとっての不確実性要因をか
かえているだけに、当面は地政学的リスクに重点を置いた金融政策をとっていこうとい
う考えのようである。現状では、来年1~2月までにイラク戦が起こり得るとの見方が
強い。市場関係者の間ではイラク戦はどう見ても避けて通れない事柄であり、FRBが年末
までにFF金利の0.5%程度の引き下げに踏み切るとの見方が現実味を帯びてきた。すでに
9月のFOMCで2人の委員が現状維持という政策決定に反対票を投じた。これは、景気が二
番底に陥る懸念があると見たからである。これによって、次回11月のFOMCまでにもし雇
用や設備投資が悪化していくようだと、利下げの時期は一段と近いものとなろう。株価
の下落状況いかんでは10月にも0.25%の緊急利下げがあるとの見方が出てきた。また、
現在では株式には買い手掛かりが見当たらない状況にあり、株価が下げ止まるためには
企業収益の下方修正が一巡するか、イラク攻撃の可能性がなくなるしか道はないであろ
うとの見方が多い。
米国では株式相場の低迷とは裏腹に、7~9月期のGDP見通しを上方修正する動きが強
まっている。米国のGDPは、今年1~3月期5.0%プラスから4~6月期の1.3%プラスに
減速した後、再び上昇するとの見通しの調査結果が多くなっている。成長率が高くなり
そうな主因は自動車販売が依然として好調なことで、7~8月の小売売上高を押し上げ
たためである。このところ発表される米国の経済指標は強弱の入り交じったまだら模様
のものが多くなっていると冒頭で申し上げたが、金融市場は弱い材料ばかり見て、強い
材料を無視する動きが強くなっている。一つ悪い景気指標が表われると、その悪さを次
から次へと拡大解釈していく癖が常習化してしまっている。要するに、堅調な経済指標
の裏の隠れたリスクを取り上げて悪材料にしてしまう動きである。そうしたことが、景
気指標が堅調でも景気の先行きに不透明感を強める原因となっている。
9月27日に発表さ
れた今年4~6月期のGDP確定値は、先月発表の改定値より0.2%上方修正され、1.3%プ
ラスとなった。成長率が0.2%上方修正されたのは、住宅投資が速報値より高めに引き上
げられたことや、貿易赤字額が下方修正されたことなどによるものである。7~9月期の
GDP伸び率について金融市場では、個人消費が底堅い動きを示していることや、4~6月
期に比べさらに貿易赤字が縮小する見通しであることなどから、3%台と比較的高めの数
字に戻るとの観測が出ている。また、住宅投資とか自動車販売などでも引き続き明るい
指標は多くなっているものの、市場での評価は低い。要するに現状、市場関係者は経済
指標が堅調な状態でもさらに隠れたリスクを読み取って、先行きの景気についてかつて
ないほど神経質になってしまっている。
米国株式市場でリスクとして捉えられている第一点が企業業績である。米国のハイテ
ク部門のバブルは日本に匹敵する規模であった。日経平均株価は過去最高の四分の一以
下に下落し、ハイテク株を多く含む米ナスダック市場総合指数も同様の動きである。ハ
イテクバブルの崩壊で、米国の通信機器大手は今月に入ってからも売上高や利益見通し
の下方修正を発表している有り様で、業績回復の見通しは立っていない。ハイテク企業
は設備投資の低迷などを背景に不振が目立ち、7~9月期から企業業績が本格回復に向
かうという投資家のシナリオは崩れつつある。私は、日米のハイテク企業は当分の間、
業績回復の見込みはないと見ており、ハイテク株の手持ちはすべて売却すべしという考
えである。米ナスダック市場では、ハイテク株の50%が1株1ドルを割っており、これら
の企業はこれから倒産する可能性がある状態である。ハイテク株については、日本株に
ついても同様の考えである。第二点は、株安の進展である。今年の初めまでは経済状況
の悪さが株安につながったが、今年の半ば以降は株安が米国経済を悪化させている。特
に、株価の下落で資産が目減りする逆資産効果が広がり始めていることが目立つ。FRBの
調査によると、今年6月末の家計総資産は48兆4,000憶ドルとなり、3月末に比べ1兆3,000
億ドルも減少した。住宅価格の上昇で不動産資産が3,000憶ドル増えたものの、株価下落
で金融資産が1兆6,000億ドル減ったためである。ダウ平均株価は、6月末から9月末に
かけてさらに10%強下落しているので、高所得者層は勿論のこと、401Kで年金を積み立
てている者にも逆資産効果は非常に大きな重しとなり始めているようである。
さらに、
リスクの第三点はイラク攻撃である。現在、どんな堅調な経済指標が発表されても、米
国のイラク攻撃の可能性が消えない限り、地政学的なリスクとしての経済不安にかき消
されてしまう状態である。米国経済にとって、イラク攻撃はそれ位マイナス要因になる
。イラク戦は、攻撃が短期間で終われば米国経済への影響は限られたものとなろう。し
かし、イラク攻撃が終われば、次のテロ国家へと米国の矛先は向いて、戦争は長期化し
てこよう。そうなれば、石油価格は1バレル=50ドルから80ドルに上昇しよう。それが
、家計は勿論のこと、企業心理も大きく冷やす要因となろう。特に企業のコスト上昇要
因となる。米国を始めとする世界経済は、90年代初めのディスインフレ時代の経済に逆
戻りしてしまうであろう。会計不信問題が一段落した米国株式市場は、現在企業収益の
悪化、株安による逆資産効果の拡大、イラク攻撃など三つのリスク懸念で低下しており
、その処方箋は見つかっていない。NYダウ平均株価は、バブルで上昇した部分を削ぎ落
とした7,000ドル台そこそこまで低下しないと下げ止まり感は出てこないであろう。
●米国の株式投資家は株式至上主義に見切りをつけて株式売却資産を国債投資にシフト
。日本国債にも買い安心感が●
先週の当レポートで、クリントン政権時代の株式至上主義経済は終焉し、株は今後さ
らに売られて、株式の過剰時代が世界的に到来するであろうと指摘した。そしてさらに
、米国経済はデフレ時代に入ったようなので、インフレ期待が強い際に投資家が選考す
る金融資産である株式は売られていくであろう。一方、デフレリスクが高まってくれば
株式や社債から国債への資金シフトが強まってくるとも申し上げた。先週の市場の動き
は指摘したような流れとなってきた。9月23日のNY株式市場では、ナスダック総合指数が
20日の終値比36.1ポイント安の1,184ポイントと、1,200ポイントを下回り、96年9月以
来6年ぶりの安値引けとなった。これは、IT投資低迷の長期化による企業業績の悪化懸
念が大きな要因ではあるが、さらにイラク情勢の悪化も足かせとなっている。ハイテク
株安につられる形でダウ平均株価も113ドル強安となり、7,872ドルと反落した。23日に
はネットワーク機器の最大手シスコシステムズが、「数ヵ月前に比べて需要の先行きに
ついて不透明感が強まっている」と発表したのに続いて、その他のハイテク企業でも7
~9月期以降の見通しを下方修正する動きが続出した。パソコンなどの最終需要は来年
も回復がほとんど見込まれない状況で、ハイテク産業が高成長に復帰する道筋は見えて
こない状況となっている。また、パソコンはすでに中国で倉庫に在庫の山ができている
上に、米国ではクリスマスプレゼントにパソコンを贈り物にする人達はいないと言われ
、需要がない状況となっている。
付加価値の高いIT商品が中国で大量生産されてしまっ
ている状況では、ITブームは完全に去ったと言えるのではなかろうか。米国のIT企業の
立ち直りには最低5~6年はかかるとの見通しが強まってきている。ナスダック総合指
数の1,000ポイント割れは間近で、先行き800ポイント時代も訪れてこよう。ナスダック
指数が6年ぶりの安値をつけた翌24日には、今度はダウ平均株価が前日比189ドル強低下
して7,683ドルで取引を終えた。7月13日につけた同時テロ後の安値を更新し、98年10月
初め以来の安値水準となった。これは、上記した三つのリスク(企業業績、株安による
逆資産効果、イラク攻撃)で株式売りが膨らんだことによるものである。米国株式市場
は、8月半ば頃、会計不信問題にけりがついて落ち着くかに見えたが、急激な株安は逆資
産効果の広がりを招き、これがさらに株価の下落を引き起こすという悪循環を生んだ。
さらに、企業の業績悪化傾向が雇用環境の厳しさにつながり、そして消費下押しへとつ
ながっていく懸念が出てきた。また、イラク攻撃の可能性は高いと株式市場は見ており
、もしこれが実行されたら石油価格は50ドル程度には上昇するとの見方が強まり、石油
需要期を控えて家計の負担が高まるほか、企業にもコスト上昇要因となって景気回復を
妨げる大きな要因となる。
こうしたリスクから、米国の投資家の株に対する慎重な姿勢が鮮明になり、株式離れ
が加速している。米国の調査会社トリムタブスは、8月以降、特に米国株を投資対象と
する投信から資金流出が加速していると発表した。8月下旬には、株から債券へのシフ
トが週20億ドルペースで進んでいるという。米国株式市場関係者は、株式から債券への
資金シフトをはっきりと認めており、現在は米国の景気悪化懸念とコーポレートガバナ
ンス不安、戦争やテロの懸念が市場を覆っているとした上で、株式から債券などにシフ
トする構図は今後9ヶ月から1年近くは続くのではないかとの見方をする人が多くなって
いる。夏の終わりにかけて世界の株式市場が再び軟化してきたが、これに伴って世界中
で国債市場が活気づいてきた。米国の10年物国債の利回りは4.0%を割り込み、日本では
1.0%丁度まで低下した。世界の債券市場を支えている要因は二つ考えられる。一つの要
因は、欧米の弱い経済指標である。米国景気が二番底に陥る可能性が現実味を帯びてき
た。今では多くの投資家が、FRBとECBが再び利下げに踏み切ると強く予想している。そ
れに加えて、対イラク攻撃が差し迫ってきていると考えているために、多くの投資家は
国債を株式投資のリスクから格好の避難先と見ている。
日本では10年物国債入札が札割
れとなったり、日銀による銀行保有株の買い取り方針などを受けて一時急落したが、徐
々に平静を取り戻し、10年物国債金利は当面1.0%から1.2%のレンジで推移していこう
。不良債権処理のため公的資金を投入することが認定されれば、国債増発懸念から相場
は下落する可能性があるとの見方があるが、日銀は10月以降の金融政策決定会合で国債
の買い切り額(現状毎月1兆円)を増額したりして通貨の供給量を拡大していくと思わ
れるので、その懸念はないであろう。むしろ資金の運用難を考えると、相場の下落は一
時的にとどまって再び買われていこう。
ところで、米国の株価は4年ぶりの安値を更新した後、割安感もあって25~26日には
一旦反発したが、先週末にはハイテク企業の業績の先行きに対する懸念材料が相次ぎ、
再び安値更新目前の水準まで売られ、結局週間ベースでは「いってこい」という状態に
なってしまった。今週も米国株式は変化率の高い相場展開が予想される。特に今週は、
企業の決算発表が多い上に、10月4日に9月の雇用統計が発表される。失業率が6%程
度になれば売りが優勢となろう。それに、米英軍がイラク攻撃に踏み込む可能性が高ま
ってくれば、株式は売りとなろう。先週の安値を下回ってくると下げ止まり感はなくな
り、10月には米ダウ平均株価は7,000ドル台そこそこまで低下し、ナスダック総合指数
は1,000ポイント割れもあろう。米国では、国債相場は今週も上昇しよう。日本国債もこ
れを見て買い安心感が高まろう。
●世界経済の流れは今年初めブッシュ政権が打ち出した「もの重視の時代」に入った。
マネーの流れは「もの」投資に軸足を置いた動きとなった●
9月24日、米国株式が売られる一方で、株式を売った資金は国債や石油、金、穀物な
ど「もの」へとシフトして、これらの商品価格が上昇している。ペーパー商品から目に
はっきり見える「もの」へとマネーはシフトし始めた。NYマーカンタイル取引所のWTI石
油は、期近11月物が前日比0.06ドル高の1バレル=30.77ドルで引け、期近終値としては
昨年2月上旬以来の水準となった。また、NY商品取引所の金も、期近9月物が前日比2.9
ドル高の1トロイオンス=325.9ドルで引けた。アジア通貨危機で揺れた97年10月以来の
330ドル台を伺う勢いである。さらに穀物も、シカゴ商品取引所では小麦が5年ぶり、大
豆・トウモロコシは4年ぶりの高値圏で推移している。ブッシュ大統領は今年の年頭教
書で、株式に軸足を置く経済に距離を置き、「もの」重視の姿勢を打ち出した。ロシア
がアフガニスタンに攻め込んだときには、金相場1トロイオンス=700ドル台をつけた。
今回もイラク戦を控えて徐々に上昇していきそうだ。国際商品価格が上昇している背景
には、イラクを巡る国際情勢の緊迫化に加えて、国債金利が急ピッチで低下して投資魅
力が薄れてしまったことで、米株式市場から流出したマネーが商品市場に逆流してきた
ためである。いよいよブッシュ政権の「もの」重視の時代が訪れてきたようである。
●日銀の斬新的な不況対策でボールは政府に投げられた。官僚政治に依然支配されてい
る日本の景気を回復するためには、もう小泉首相の判断しかない●
予期していなかった斬新的な政策を日銀が打ち出してきたことで、次は政府の不良債
権処理策の行方を睨んだ動きとなってきた。主要閣僚からは銀行への公的資金注入を容
認する発言が相次いでいるし、先週末に開いたG7財務省・中央銀行総裁会議でも、塩
川財務相が不良債権処理の加速を公約したとかしないとか、相変わらず不透明な動きが
取り沙汰されている。30日には内閣改造があるが、公的資金注入に否定的な柳沢金融相
の去就が材料視されている。もし不良債権処理を加速するための策が現実のものとなれ
ば、日経平均株価は米国株式市場とは別の流れを示して1万円以上に上昇し、円相場は
やや円高になろう。しかし、柳沢金融相もRCCを軸とする公的資金注入も言い出してきた
ので、留任の可能性が強まった。(D注、ご存知の通り更迭されてしまいました)
現在は誰が金融庁長官になってもさほど変り映えはない。(D注、竹中兼任は?)
要は、政府の不良債権処理策は北朝鮮問題同様、小泉首相の胸三寸の中にあるわけ
で、小泉首相の決断にかかっている。G7で、米国のオニール長官は塩川財務相からは
公的資金導入問題の話は一切なかったと言っており、日本経済に対する評価は厳しい状
況下にある。10月1日に発表される日銀短観では、DIは前回の回復数値より大幅に縮少す
ると思われ、先行きの景気回復は厳しい見通しである。もう日本経済には小泉首相の斬
新的な不良債権処理策の決断しか回復の道はない。公的資金の導入とか、税制の抜本的
な改革など、官僚が嫌がる政策を小泉首相が決断していくしかないようだ。日本経済の
すべては小泉首相にかかっていると言って過言ではない。(終)
(東短リサーチ 特別顧問 橘田昭次 記 )
本資料は情報提供を目的としてのみ作成されたものであり、お取引の最終決定は御自
身の判断でなされますよう御願い致します。本資料に記載されている内容は、信頼で
きる情報源に基づき作成されたものですが、弊社はその正確性および確実性を保証す
るものではありません。また、本資料を無断で転送・引用・複製することを固く禁じ
ます。
以下フォロー記事
◇官房長官:日銀短観、経済環境やさしいものではない
NAA 0909 : 2002/10/01 火曜日 11:08
福田康夫官房長官は1日の閣議後の記者会見で、日銀の企業短期経済
観測調査(短観)で景況感を示す景況判断指数(DI)が大企業製造業で
2期連続の改善となったことについて、「改善はしているが、改善幅は
小幅になってきている。環境は決してやさしいものではなく、むしろ厳
しさを増しているかもしれない」と述べ、厳しい見方を示した。
◇財務相:景気、依然として厳しい状況――日銀短観で感想
NAA 0901 : 2002/10/01 火曜日 11:04
塩川正十郎財務相は1日午前、閣議後の記者会見で、今朝日銀が発表
した9月の企業短期経済観測(短観)で大企業製造業の景況判断指数(
DI)がマイナス14だったことについて「(景気は)依然厳しい状況」
と感想を述べた。
財務相は自身の景況感として「落ち込み方が少なくなり(景気の)底
が固まってきた感じがする。企業のリストラや合理化が一段落してきた
ところだろう」との認識を示した。同時に「(景気を)向上させる力は
弱い」とも語り、企業の設備投資や新産業への積極的な参入を促す政策
の必要性も強調した。
ニューヨークダウが米同時テロ後の安値を更新するなど世界的な株式
相場の下落が続き、日本株も下げていることに関しては「(株安対策は
)何か考えなければいけない。早急に研究して決定したい」と述べ、検
討を急ぐ考えを示した。ただ「今すぐに対策はない」とも語り、現時点
での具体的な対応については言及しなかった。
◇財務相:減税規模、強い要望あれば柔軟に対応
NAA 0950 : 2002/10/01 火曜日 11:31
塩川正十郎財務相は1日午前、閣議後の記者会見で、増収策との差額
で1.5兆円まで可能としている先行減税の規模について、省庁からの「
減税の強い要望があれば(拡大は)可能」と述べ、柔軟に対応する姿勢
を改めて示した。
財務相は、今月中に税制改正案をまとめるとしていることについて「
臨時国会に税制改正の法案は間に合わない。しかし減税規模や、その対
象をできるだけ早く決めて、企業や個人が対応を準備しておくことが大
事」と、真意を説明した。
減税内容に関しては改めて法人税率の引き下げに慎重な考えを強調し
た。財務相は、増収策が配偶者特別控除の見直しなど個人が対象になる
ことを念頭に「もうかっている企業の減税に直接充てるより、雇用(創
出)に直接影響あるような部分に積極的な減税を進め、企業の活力を増
してくれたらいいというのが国民一般の願い」と説明した。
◇経財・金融相「不良債権抜本処理の作業部会を週内設置」
NAA 0924 : 2002/10/01 火曜日 11:14
竹中平蔵経済財政・金融担当相は1日の閣議後の記者会見で、不良債
権処理を加速させるための具体策を検討する作業部会を週内に金融庁に
設置することを明らかにした。作業部会は竹中経財・金融相のほか、高
木祥吉金融庁長官と同庁局長クラス、4人程度の民間学識経験者で構成
する。
竹中経財・金融相は「包括的なシナリオをつくる。2週間ぐらいで中
間的な報告ができるようにしたい」と述べた。さらに「早急に対応をと
りまとめるように私の責任においてやる」とし、金融審議会などの形態
をとらないことを示唆した。
◇経財・金融相:株安、将来のリスクより不確実性が要因
NAA 0927 : 2002/10/01 火曜日 11:17
竹中平蔵経済財政・金融担当相は1日の閣議後記者会見で、米株安を
受けた国内の株価下落について「世界的な資産市場の調整の中にある」
と述べた上で、その要因は「将来のリスクというよりも不確実性にある
」と指摘。将来何が起こるか分からない状態で、市場参加者が立ちすく
んでいるとの見方を示した。
そのうえで竹中氏は、株安の背景とみる将来の不確実性について「最
大の要因は米国(経済の先行き不安)にあるが、日本では金融問題だ」
と指摘し、小泉純一郎首相の指示に従い「いかなる政策対応をするかを
早急にとりまとめたい」と、不良債権抜本処理策の早期策定に向けた決
意を示した。
同日朝に発表された日銀短観が小幅改善にとどまったことに関しては
、「景気が厳しい中で持ち直しの兆しがあるが、様々な厳しい要因が出
ている」との現状を反映しているとの見方を語った。そのうえで、政府
が月例経済報告で示している景気判断に触れて「まさにそうした状況が
短観に表れている」と述べ、想定通りの結果だとの認識を示した。
以上クイック