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格下げ (長期/アウトルック/短期)
今回 前回
朝日生命 CCC/ネガティブ/-- B−/ネガティブ/--
住友生命 BBB−/ネガティブ/-- BBB/ネガティブ/--
三井生命 B+/ネガティブ/-- BB−/ネガティブ/--
明治生命 A−/ネガティブ/A-2 A/ネガティブ/A-1
安田生命 BBB+/ネガティブ/A-2 A−/安定的/A-2
スタンダード&プアーズは本日、朝日生命、住友生命、三井生命、明治生命、安田生命の生保5社の格付けを、上記の通り引き下げた。
格下げは、国内株式市場の長引く低迷による自己資本の悪化、ならびに邦銀に対する過剰なエクスポージャーによる資産リスクの高まりに基づいている。後者には、邦銀の信用力低下とともに、生保各社の自己資本が低下する中での特定銀行に対する過度の集中リスクに対する懸念が含まれている。
国内株式市場の下落は、当該生保5社に2001年度決算において、国内株式を中心に約1兆4,000億円にのぼる有価証券売却損・評価損を計上させ、さらに、国内株式の含み益を約5,500億円減少させるなど多大な影響を及ぼした。2002年度に入っても不安定な国内株式市場は、生保各社を引き続き深刻な株式の変動リスクに晒している。
また、邦銀と生保間の資本持ち合い、いわゆるダブルギアリングについて幅広く調査を行った結果、邦銀の信用力低下とともに、邦銀に対し過剰なエクスポージャーを抱える生保各社の資産リスクが高まっていることを確認した。また、生保各社の自己資本低下が進む中、特定銀行向けのエクスポージャーに対する集中リスクが極めて高い水準に達している。このような場合、銀行から調達した自己資本の実質的効果は、その一方で行われる銀行への自己資本提供による資産リスクの増加によって、相当程度減じられている。
スタンダード&プアーズは、資本のダブルギアリングから生じる集中リスクにより、上記生保5社の圧迫された自己資本と財務の柔軟性が、さらに弱められていると考えている。また、長引く景気低迷と厳しい事業環境の中にあって、こうした過度の集中リスクは、資本調達の実質的効果の低下をもたらし、信用力低下が進む本邦金融機関間におけるシステミック・リスクの高まりを助長している。
一方、国内株式市場の動向は、今後も引き続き、今回格下げとなった生保5社のみならず、多額の株式を保有する国内生保すべてにとって、大きな脅威である。現在の株価下落傾向が早急に反転しない限り、生保会社の格付けがさらに見直しとなる可能性がある。