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(回答先: マッキンゼーアンドカンパニー 日本企業の資本生産性を考える。 投稿者 hou 日時 2002 年 9 月 13 日 11:35:09)
マッキンゼーアンドカンパニーの本田氏の論考は、企業価値を上げるということについて的確なものだと思うし、日本企業経営者に不足している視点を突いている。
しかし、ミクロ(企業)は、マクロ及び世界経済の諸条件を超えてその価値を上げることはできないという最重要定理が抜け落ちている。
マクロ及び世界経済が成長状況にあるときに本田氏が言うような観点で経営した企業は強くなるということである。
「デフレ不況」というマクロ条件で、各ミクロが本田氏の言われるような手法を採れば、「デフレ不況」がさらに悪化し、本田氏の手法を採ったミクロも毀損されていく。
まさに“総合の誤謬”である。
社会的分業構造のなかで存立するミクロの有機的総合がマクロである。
マクロ条件を利用することはできても、マクロ条件から抜け出せるミクロはいない。
総体的なミクロが良くなると言うことはマクロが良くなると言うことであり、マクロを良くするということは、ミクロが良くなる最強の条件である。
経済学は、個別ミクロが如何ともしがたいマクロ条件を改善する論理を示すことが使命であろう。(経営学ではマクロもミクロも改善できない。経営学がミクロを改善できるのは、マクロが良好なときだけである)
「デフレ不況」においてはミクロを良くしながらマクロを良くするという道筋はない。
マクロを良くしながら本田氏が言われるミクロ強化策を採っていくことでしか、日本企業及び日本経済の再生はない。
国際経済条件に照らして、独自でマクロ条件を改善できる国民経済は日本だけである。