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(回答先: JT株売却、来月以降に先送り・財務省方針 + 拝啓、財務省官僚殿 投稿者 Ddog 日時 2002 年 9 月 13 日 11:14:19)
投資戦略/株価下落の引き金となった“信頼感の喪失”
by 東田雅昭さん(野村證券・投資情報部次長)マルテックス・インベスター・ジャパン提供(10日)
先週、日経平均が一時9千円の大台を割り込む厳しい局面があった。まず考えられる理由は、新決済預金の導入等により、個別銀行の経営不安が金融システム不安につながるリスクが減少する可能性が生じたことだ。そうであれば、銀行の経営不安を払拭するために、国の資金介入による銀行株の買い支えが今後は減るとの読みから、銀行株に下げ余地がでてきた。新決済預金等決済システム保護政策は銀行株を売り下げてよいという売り手の安心感をもたらした可能性がある。
もうひとつの理由は「希望喪失症候群」、「信頼喪失症候群」とでも呼ぶべき社会心理だ。政治家、官僚、企業経営者、いずれも国民から信頼を得るべき立場の人である。ところが政治家の国会での議論は期待する進展がなく、官僚も日本が直面する問題への対応が期待ほどではなかった。また、信頼すべき企業に不祥事が相次いだことも信頼感の喪失につながった。日本の将来に対する不安感の高まりは株価にネガティブな影響を与える。だとすると、先週の株価の下げはあまり意外感を持って受け止められなかったのではないか。
日経平均:下値のメドは8千円か
証券税制の改正も投資家心理にマイナスの影響を与えている。特定口座の勧誘がはじまったのと時を同じくして株価が下落した。資金の源泉を問われる税制改正だけに、個人投資家の株式離れにつながる懸念がある。投資家心理の改善を背景に株式市場が明るくなるという道筋が見えない。 株式市場は新たな変動を模索する段階に入った。今後の相場のレンジを敢えて言えば、私見だが8千円〜1万1千円の可能性があるのではないか。その予測が正しければ、政府が国富の損失と金融システム不安から株価対策に真剣になる水準が下値のメドといえそうだが、いまのところ対策づくりに慌てている様子はない。
米国:しばらく不安な展開が続く
米国でも経済成長力の持続性に拭いがたい不安のしこりができ始めている。景気は3%前後の成長路線に回復するというのがコンセンサスだが、慎重なエコノミストはこれを不安視している。企業の最終需要が底入れしない中で、景気を支えてきた個人消費の伸びも不安視されてきた。個人消費を伸ばす要素として所得効果、株・不動産などの資産効果があげられるが、所得の伸びが落ち込んでおり、株価上昇による資産効果が消えた。残る住宅価格上昇による資産効果についても「住宅バブル論」が唱えられはじめた。住宅価格は株式のように市場取引で決まるわけではなく人口動態や生活様式を反映するので、激しい価格変化は起こらないと思われるが、住宅価格の動向には気を配る必要がある。この判断の見極めには少し時間がかかり、それまでは強弱どちらに動くか不安な展開が続くだろう。(野村證券東田氏の個人的見解を取材のうえ、マルテックス・インベスター・ジャパン編集部で構成したものです。)