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マクドナルドといえども、日本の「価格下落戦争」に打ち勝つことはできなかったらしい。
日本マクドナルドが130円のハンバーガーを平日限定で65円に値下げしたのは、2000年2月のこと。おかげで売り上げは5倍に急増したが、今年2月には円安による輸出増加で景気が回復すると見込んでハンバーガーを80円に値上げした。これで「日本全体のデフレが止まるかもしれない」と、藤田田社長(当時)は語ったものだ。
だが、そうはならなかった。高くなったハンバーガーに消費者はそっぽを向き、売り上げは月10%を超えるペースで減少。今年6月の中間決算は、前年同期比で52%もの減益となった。
結局、再値下げを強いられ、8月5日からは過去最低の59円で販売しはじめた。「デフレとは長いつき合いになりそうだ」と、同社の広報担当者は語る。
世界の外食産業で不動の地位を築いたマクドナルドでさえ価格を維持できないとなれば、より小さな企業はなすすべもない。消費者は買い控えを続け、企業は経営難に陥り、不良債権は増えていく。日本経済が回復して世界が景気後退を免れるという望みは、失われたも同然だ。
日本の物価は年間1%のペースで下落している。その結果、不動産から鯨肉まで何もかもが買い手市場になっている。4月にはソニーやNEC、富士通がパソコンの価格を10〜20%引き上げたが、安さが売りのデルコンピュータにシェアを奪われ、再値下げを余儀なくされた。
景気の早期回復に対する期待がしぼむなか、日本政府にはデフレスパイラルを避けるための対策がますます求められている。弱体企業を支えることで過剰設備を温存させかねない、インフレ・ターゲット策のようなリスクの高い政策の実施まで取りざたされているほどだ。
HSBC証券のピーター・モルガンは、高速道路の拡幅工事や身障者が使いやすい交通機関の整備など、「良い」公共事業に投資すべきだと主張する。彼に言わせれば、根本の問題はデフレではなく経済成長だ。「1〜2%程度の成長があれば、その余波でデフレも解消するだろう」と、モルガンは言う。
そうなれば、人々はまた高いハンバーガーを喜んで食べるようになるかもしれない。