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【ニューヨーク8日=坂本裕寿】
国際通貨基金(IMF)は8日、日本経済に関する2002年の年次審査報告書を発表した。「構造改革を進めなければ、回復基調が短期的にとどまる」と指摘、経済の構造改革の重要性を強調すると同時に、日本銀行に量的な金融緩和の拡大を求めた。
2002年の日本の国内総生産(GDP)の実質成長率については、4月時点の予想から0・5ポイント上方修正し、マイナス0・5%と予測したが、デフレの浸透や雇用情勢の不透明感などから、修正も小幅にとどめた格好だ。来年は、世界経済の持ち直しを背景に1・1%成長を予測している。
報告では、日本の景気の現状について、輸出主導で回復傾向が見え始めたことを評価しつつ、「依然として相当な下振れ懸念がある」と指摘した。その上で、不良債権処理が足かせとなっている金融部門の立ち直りが景気回復のカギを握ると強調した。「銀行や企業の根深い構造問題に、迅速かつ、総合的に取り組む」必要性があると指摘、日本の構造改革が待ったなしの状況になっているとの見解を明らかにした。報告は、金融庁の大手金融機関に対する特別検査は評価しているが、「検査を地域金融機関や中小金融機関まで拡大することが重要だ」との認識も示した。
日銀が現在、実施している量的金融緩和策については、限定的な効果しか上げておらず、「最近の円高によってデフレが加速する恐れがあり、もう一段の量的緩和が必要」と分析した。さらに、IMFの理事の一部から、中期的には一定の物価水準に目標を合わせて金融政策を運営する緩やかな「インフレ・ターゲット」の導入を求める意見が出たことにも言及した。
(8月9日12:17)