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雇用問題に関するドイツ政府の諮問委員会は23日、現在約400万人の失業者を3年後に半減することを目指す雇用政策改革案の中間報告をまとめ、シュレーダー首相に提出した。同首相率いる社会民主党は、9月の連邦議会選挙(総選挙)を前に支持率で保守系野党にリードされているが、来月の最終報告を受けて大胆な改革策を打ち出し、挽回(ばんかい)を目指す。
諮問委の提案は、全国の職業安定所の機能改善が中心。(1)職安に人材派遣会社の機能を持たせ、失業者をパート労働者として企業などに派遣する(2)若い失業者には地元だけでなく全国の職を紹介し、若年者対策を強化(3)資格制度を緩和するなどして自営業を支援する、などを柱としている。
提案は、パートの派遣を拒むと失業保険を受けられなくするなど、働く意欲がなく失業保険だけを当てにする人を減らす工夫も入れ、従来の「過保護」政策から踏み出した。また、報道によると、賃金の非課税限度額を現行の月325ユーロ(約3万8千円)から500ユーロに上げ、社会保険料を減らす。労働者にかかる雇用側の付帯経費を減らす一方、労働者の手取りを増やし、パートの職場を増やすという。
労組の一部はパート職場の増加に難色を示しているが、経営者らは評価し、野党の自由民主党からも賛成する声が出ている。しかし、政権奪還を目指す保守のキリスト教民主・社会同盟は、職安の派遣会社化を「政府の雇用政策放棄」と批判。選挙戦終盤の最大の争点になりそうだ。