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米長距離通信大手のワールドコム
一方、KDDI<9433>やNTT<9432>の長距離通信子会社、NTTコミュニケーションズは、ワールドコムと国際回線を相互接続しているが、「チャプター・イレブン(破産法11条)の適用申請を出しても、すぐサービスが止まるわけではない」(KDDI小野寺社長、18日の定例会見)として、ただちに事業に支障をきたすことはないとみている。ただし、「通信確保の検討は進めている」(同)という。
柳沢金融担当相は9日の衆議院財務金融委員会で、ワールドコム向け邦銀融資残高について、「国内主要銀行12行のうち、4行が融資しており、与信残高の合計は2002年6月時点で約3億6500万ドル、1ドル=120円換算で約440億円になる」と述べた。
三菱東京フィナンシャル・グループ<8306>はきょう、ワールドコム向け債権170億5800万円に取り立て不能の恐れが生じた、と発表した。これには、東京三菱銀行の166億2600万円のほか、東京三菱銀行信託会社とBTMキャピタル・コーポレーションの債権が含まれている。同社が既に発表している業績予想に、影響はないという。
一方、電機各社は、ワールドコムの破産法申請によって、昨年来低迷を続ける米国の通信市場がさらに冷え込むことを懸念している。
ワールドコムとの直接的な取引については、NEC<6701>は、「取引はなく、影響はない」(コーポレート・コミュニケーション部)と話す。一方、富士通<6702>は、「今期、2000万ドルの注文があると想定していたが、なくなることになる」(高谷卓副社長)という。ただ、「金額が小さく、影響は受けない」(同)とみている。
しかし、「米通信市場が冷え込むのは、間違いない」(富士通の高谷副社長)との見方も出ている。米国の通信会社は、設備投資を抑制する傾向にあったが、一段とこの動きが強まる、との懸念が浮上しているためだ。
富士通の高谷副社長は、「米キャリヤの不振が、世界全体に広がった」としたうえで、「通信ビジネスは、2─3年は先行きが厳しい」と語る。また、松下通信工業<6781>の桂靖雄社長は、「ワールドコムの影響から、米キャリアは守りに回る」と述べ、投資意欲の減退を懸念していた。
また、米ルーセンントテクノロジー
NTTコミュニケーションズでは、ワールドコムが提供するインターネットのバックボーンを使用するISP(インターネット接続業者)が、NTTコムの米国子会社であるベリオのバックボーンに乗り換える可能性がある、とみている。さらに、NTTコムのデータネットワークサービスの顧客企業が、米国内でワールドコムの回線を使用しているケースがあるため、代替の回線を求めている場合には、コンサルテーションを提供できるよう、現地の営業部隊に準備させている。