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(回答先: 米ワールドコム破たん:日本経済に「影響ある」 首相談話[毎日新聞7月22日] ( 2002-07-22-21:28 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 22 日 22:32:59)
巨額の粉飾決算が表面化した米長距離通信大手、ワールドコム(本社・ミシシッピ州)が21日、経営破たんした。米史上最大の倒産だけに、日本経済への影響が心配される。日本の株、為替市場や、通信業界、さらに同社に融資している邦銀では、直接的な影響は「軽微」と見ているが、ワールドコムショックによる米経済の悪化が、日本に悪影響を及ぼすことに、強い懸念を持っているようだ。
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ワールドコムの経営破たんに、日本の通信業界は各社とも「自社サービスに大きな影響はない」と冷静に受け止めている。世界的な通信業界の再編が今後予想されるが、国内企業は経営悪化で体力がなく、米ワールドコムの事業継承や救済に関与する動きは今のところない。
米国の通信業界は90年代後半、インターネットの技術革新とIT(情報技術)バブルの株高を背景に、光ファイバー網の構築など「狂ったような巨額投資」(電機メーカー幹部)を行ってきた。一方、日本は固定電話の収益悪化や有利子負債の返済で投資を抑制してきており、立ち遅れのために最悪の事態は逃れた。
ワールドコムの日本法人で、企業向けデータ通信事業などを行っている、MCIワールドコム・ジャパンは22日、通常通りのサービスを継続する方針を表明。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)やKDDI、日本テレコムなどの国際通信事業者は、米国内でワールドコムの回線を利用しているが、同社サービスの継続で支障は出ていない。仮に回線が利用できなくなっても、「短期間で他の業者の回線に移す準備がある」(日本テレコム)という。
グローバル・クロッシングなど米国の通信企業破たんが相次ぐが、この機会に「積極的に海外に出る資金的な余裕がある業者はいない」(KDDI)のが実情で、世界的な通信再編に日本企業がからむ余地は少なそうだ。
【尾村洋介】
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米長距離通信大手のワールドコムの経営破たんで、邦銀ではみずほコーポレート銀行、東京三菱銀行、UFJ銀行、住友信託銀行の4行が総額約400億円を融資しており、ほぼ全額が損失となる可能性が高い。昨年破たんしたエンロンに比べると、1行当たりの融資残高は半額程度で、各行とも「業績予想に影響はない」としている。
しかし、「米国企業の会計に対する信頼性が揺らいでいる」との受け止めが大手行に広がっており、米国企業への貸し出し態度が慎重になるのは必至だ。
米国を代表する優良企業と目されたワールドコムの突然の破たんだけに、各行とも貸倒引当金をほとんど積んでいないとみられる。各行別の融資残高は、東京三菱が傘下の米国現地法人2社を合わせて約170億円、みずほコーポレート銀が150〜200億円、UFJが30億円、住友信託が数千万円。
金融庁の高木祥吉長官は同日の会見で「(日本の金融機関に与える)影響は微々たるものと考えている」としたものの、ワールドコム社債を保有する日本企業については「現状では特段の問題は把握していない」と述べるにとどまった。米国のIT(情報技術)バブルを象徴する成長企業の社債だけに、国内の生損保など機関投資家は同社債を保有しているとみられ、今後の影響については不透明な部分も残る。
【川口雅浩】
上野秦也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト 日本経済の回復は、外需頼みで、輸出先である米国などの景気回復と為替相場の円安水準維持が前提となっている。企業会計への不信感に根ざした米国株の急落状況から見て、22日の日経平均株価はもっと下がってもおかしくはなかったが、先物に大口の買いが入ったことをきっかけに持ち直した。米株市場については、SEC(証券取引委員会)が米大手企業に対し決算内容の正確さを認証する期限である8月半ばが一つの節目になるが、不安定な状況がいつ終わるか、明言はしにくい。日本の株価も当面、1万円前後〜1万500円のもみ合いが続くのではないか。為替のドル安は、米国株と連動しない兆候も見え始めているが、円安方向に大きく戻るには米国株の大幅反発が必要になり、そのためには会計不信の一掃が必要だ。