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(回答先: 【国家戦略】栄誉ある孤立化政策 投稿者 まじなおじさん 日時 2002 年 8 月 22 日 22:33:31)
興味深く貴説を拝読しました。
考えに考え抜き至った結論であると拝察します。所々に珠玉の記載が見られ、共感する点も多々ありました。このような労作に対して簡潔なコメントを述べるのは失礼に当るのかも知れませんが、ざっとした所感を述べたいと思います。
まず、貴殿の「栄誉ある孤立化政策」は「準鎖国政策」であると言えます。必要最低限の物資の輸入とそれに見合った輸出のみを行い、あとは自給自足で行くと。これによりグローブに対峙する際に不可避となる様々な悪影響を巧妙に避けて行こうと言うことでしょう。
リカード及びそれに連なる経済学者らの業績を持ち出すまでもなく、国際貿易を放棄することによって失われる富は大変な水準となります。貴殿は、本当に必要な輸入物資など限られているとお考えのようですが、現在輸入されているもの全てに合理的な裏打ちがあります(各私企業の採算計算と言っても良いでしょう)。一面、輸入は国内雇用機会を奪う悪者に見えても他面では確実に国民経済を豊かにする方向に働いているのです。
輸出に目を転じるとさらに大きな問題があります。輸出超過を防ぐためには国家による輸出制限が必要になり、これは輸出企業の投資意欲減退に直結します。と言うよりもそもそも先端輸出企業はグローバル市場を想定した企業戦略を組んでいるので、輸出額(輸出枠)が今の10分の1になるとすれば壊滅的打撃を受けると言ったほうが良いでしょう。
話は経済面にとどまりません。これだけの政策転換を行う以上、OECDやG8、各国際機関からの撤退は勿論のこと、あらゆる2国間関係の見直しを迫られるでしょう。
あまりにラディカルな政策は現存諸システムをことごとく崩壊させるため有効でないということです。我が国は今後も「世界の中の日本」として生きていくより他ありません。ただ、貴殿の真摯な問題意識に共感できるだけに、このご提案を荒唐無稽と笑う気にもなれません。