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Re: 株式と国債のキャッチボールでは米国も「デフレ不況」に陥る 投稿者 あっしら 日時 2002 年 8 月 15 日 19:50:55:

(回答先: 米長期金利、一時4%割れ 40年ぶりの低水準〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 15 日 18:15:51)

社債は危ない、外国の国債は危ない、貸し出しも危ないという認識のもとで、株式市場と国債市場の両睨みで資金が動いているようである。

これは、資本化されない通貨が増えていることを意味する。

97年水準を下回った株価であれば、機関投資家が株式を買っても、少ない損失で済んだという投資家の株式や“空売り”の反対取引がほとんどだろうから、消費拡大効果は限られる。

国債に資金が向かっているのは資金還流が減ったなかで連邦政府としては好ましいことだが、FRBの金利引き下げがないまま国債金利が下がっているということは、“過剰”に米国債に資金が向かっていることを意味し、経済状況の酷さを反映したものである。

「朝日新聞」は40年ぶりの低水準と見出しに書いているが、4%と言っても、実質金利で見れば5%というとんでもない高さである。
FRBの政策金利1.75%を下げるタイミングとしては、高止まりしていた長期金利の下落傾向が明確になった時点(昨今ですね)だろう。そうすれば、長期金利は、連れて下落して行くはずである。

しかし、需要減少状況での金利引き下げが行き着く先は、デフレの深化である。

供給減少→需要減少→財の売上不振状況での金利引き下げ→金利コスト低下による財価格下落(デフレ)→供給減少→需要減少・・・・・というサイクルでデフレ・スパイラルに陥っていく。


もちろん、高金利でも、金利コスト負担下での売上不振(需要減少)が企業収益が圧迫し、価格支配力を保持している企業に需要が吸い寄せられていくので、デフレ圧力を受けた状況での不況になる。
金利引き下げよりもデフレが抑制されるが、その代わりに、企業収益が減少することになる。


日本よりも米国の方が「デフレ不況」に対する政策対応力が低いことは要注意!!

唯一の強みは、自国通貨ドルが国際基軸通貨であること。

すぐに首を切る米国企業の行動は、供給減少=需要減少で「デフレ不況」をいっそう悪化させる。

賃金上昇・低中所得者減税(公的負担減)・財政支出の増加(財政赤字拡大)・国際競争財の輸入制限くらいしか、「デフレ不況」をしのぐ方法はないが、軍需品調達のための財政赤字拡大と輸入制限以外は採られることはないだろう。

軍需品調達を増やしても、関連企業の収益増加に大きく貢献し、若干の需要増加に貢献するという程度で、米国経済の「デフレ不況」を解消することはない。
(軍需品関連企業が拡大させた利益で米国債を買ったり、軍需品関連企業が拡大させた利益で返済したお金で銀行が米国債を買うという笑えないサイクルに陥る可能性もある)


輸入制限も、資本財や中間財であれば、軍需品を含む米国の消費財経済主体の収益や品質を阻害する可能性が高い。
需要(可処分所得)減少のなかで、米国系企業に関わらず安い最終消費財の輸入を止めることは難しいだろう。
国際競争財の廉価での輸入は、デフレと企業収益を悪化させ、さらに供給減少=需要減少をもたらす。

「デフレ不況」が深刻になれば、全般的な企業収益が減少していくから、企業の不正経理とは無関係に、総体的な株価は低落していく。


FRBが“買いオペ”・“社債や不動産の買い入れ”・“外貨購入”などしようが、増加させた通貨が、米国債の購入に回るだけで資本化されなければデフレ対策にはならない。
(余剰通貨の行き場がない状況で生じたデフレ対策としての“インフレターゲット政策”は無効である)


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