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(回答先: 外為市場で円高進行、“フラット為替”の取り組みで輸入企業にも頭痛の種[東京15日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 15 日 18:11:29)
「“フラット為替”と呼ばれるもので、一定期間中に一定水準でドルを購入する長期先物予約」の詳細についてが知らないが、実需が見えている範囲の先物予約ではなく、それを超えた期間と額の外国為替先物予約のようだ。
この取り引きを行っている銀行側も損失を被ることはあるのだろうが、銀行側は取引相手が多数であり外国為替取引を超長期にわたって行うから損益とも緩和できる。
手数料収入だけでいいと割り切れば、リスク管理さえきちんと行っていれば、手数料収入を超えるほどの損失を被ることは防止できる。
大きな損を被ったり大きな益を得るのは輸入企業である。銀行は数多くの輸入企業との同種取引でリスクを調整できるが、個別輸入企業は、張った目と違う目が出たら、損失を避けようがない。
今回のドル安傾向で、“フラット為替”取引を売り込んだ銀行は、“思わぬ”利益を手に入れてウハウハというところだろう。
愚かでない銀行であれば、一時的な余録と考えるだろうが...
邦銀がどれほどドルを売ってきたかは知らないが、円安局面で“フラット為替”取引を大量に売り込み、その後ドル安傾向を煽る取引を行ってきたとしたら、オミゴトだ。
輸入企業はドル高期にドルを仕入れドル安期の今ドルを買えない状況で、銀行はドル安大歓迎という構図であれば、ドル安傾向がしばらくは続くかも知れない。
>ドル/円がディスカウント体系になっていることから、スポット水準よりも安くドル
>を買うことができ、ドルの先高観が強い場面では、こうした取り組みが出やすいとさ
>れている。外銀は、長期にわたる国内企業への与信が難しいことから、専ら邦銀を中
>心に輸入企業に売りこまれた取引とされるが、輸入企業にとっては、為替のコストが
>確定するため、将来的な収益計画が立てやすくなるメリットがあるという。
円安局面で大量の“フラット為替”取り引きを行った輸入企業は、「ドル/円がディスカウント体系になっている」意味を理解していないようだ。それどころか、デフレの意味も理解していないと思われる。
外国為替レートの先行き相場を見通すことは難しいが、大局的な論理に逆らう相場傾向は長続きしない。
現時点で、半年程度の賭けであれば理解できるが、大局的な論理に逆らう相場傾向に数年にもわたって予約を行うというのは常軌を逸している。(日本経済の先行きにそれだけ自信がないということなのだろうが...)
世界経済が大混迷期に入っているという自覚がないようだ。
「輸入企業にとっては、為替のコストが確定するため、将来的な収益計画が立てやすくなるメリットがある」と考えているようなら、会社をたたんだ方がいい。
“為替のコスト”という表現は誤っている。日本円の米ドル転換レートが確定するだけで、日本円ベースでのコストの多寡は実需の決済時のレートで初めてわかるものである。
そういうものでありながら、「将来的な収益計画が立てやすくなるメリット」というのは大笑いである。ドルを買うために必要な日本円額の将来的な計画が立てられるというだけであって、将来的な“収益”計画が立てやすくなるわけではない。
変動相場制とはそういうものである。
銀行ではない経済主体が、銀行と同じように通貨で通貨を稼ぐようなことにのめり込めば、リスク管理ができないのだから、期待した利益が出ることもあるとしても、予期せぬ大損失を被ることになる。