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(回答先: Re: 【世界経済を認識する基礎】 “あっしら”的経済概念の説明:近代的預金と「信用創造」(「バブル形成」の考察を含む)〈その6〉 前半部』 投稿者 たにん 日時 2002 年 7 月 14 日 13:36:34)
「たにん」さん、こんにちわ。
いつも拙文をお読みいただきありがとうございます。
ご指摘の部分は、「科学技術の進歩が近代を生み出し近代を発展させてきた」という学校教育的な了解に対して、それをそのまま鵜呑みにしていいのかという疑念の提示です。
わかりにくい記述だったと思っていますが、科学技術研究開発活動なくして近代経済の生成も発展もなかったことを認めた上で本文の説明が書かれたことをご理解ください。
きちんとした出典は今わかりませんが、蒸気機関についても、産業革命以前に中国では既に開発されていたと言いますし、推進力と方向制御を併せ持つという意味でのロケットの原型は、中国で武器としてずっと昔に開発されています。
航海術における羅針盤も中国の発明ですが、そのような科学技術力が、なぜ、重商主義や近代機械制工業に結びつかなかったのかという私自身の問いに対する自身の回答が、本文に書いた内容です。
>「近代経済の発展」という言葉で何を意味するかに依存しますが、科学技術の発展無
>しには経済規模の拡大(生産/流通量の増大、人口の増大など)は不可能だったで
>しょう。
科学技術の発展なしに生産や流通量の増大ができたという趣旨ではなく、生産を増大するためには、その前提として、増大した生産(財)を貨幣に変えるための販売市場が存在しなければならないというのが趣旨です。(この意味で本文中に因果関係という言葉を使いました)
そして、その販売市場は、国内ではなく、国外になければならないというものです。
国外でなければ、生産された財の価格がただ安くなるだけだったり、貨幣に変わらないまま財が山積みになってしまったり、就業できない人が増加することになるからです。
(歴史的現実として、19世紀のブリテンやアイルランドでは大量の失業者が生まれました。それが大きな政治不安に結びつかなかったのは、北米大陸という“逃げ場”があったからです)
>具体的には産業革命(蒸気機関、自動化技術の開発)が無ければ、経済の発展は無
>かったでしょうし、多くの革新的な技術の開発においては資本家による援助は余り無
>かったというのが現実のようです。現代の経済規模の拡大は革新的な科学技術の発展
>が無ければ不可能ですし、その後の応用的な科学技術の発展には巨大な経済規模が必
>要であったということでしょう。両者は相乗的に生じたと見ています。
これまで、そして、現在は、科学技術と経済的発展が相乗効果を発揮する経済システムです。
しかし、しばらくはそれが続くとしても、それほど先までそれが続くとは予測していません。(環境問題だとか資源問題ではなく、経済論理的な視点からです)
これは、モデル的に計算される潜在経済成長率が人口増加率+アルファ程度しか見込まれていない現実とも関ってきます。
科学技術と近代経済社会が結びつくための始源的条件が何であったかを説明したのも、頭の中にこの問題があったからです。
この問題そのものについては、別の書き込みで説明するつもりです。