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ロンドンの競売大手サザビーズで10日、北方バロック絵画の巨匠ルーベンスの幻の宗教画「ベツレヘムの幼児虐殺」を匿名の個人収集家が4950万6650ポンド(約90億3000万円)で落札した。絵画の落札価格としては英国で過去最高、世界でも史上3位の高額。
ルーベンスが30代半ばだった1610年ごろの作品で、ベルギーのアントワープを拠点に精力的に活動していた巨匠充実期の「第一級の傑作」(サザビーズ)という。18世紀末、誤って弟子の作品とされたままウィーンの90歳の女性が所蔵していたのを専門家がルーベンス作と鑑定、今年3月にサザビーズが競売を発表していた。
画題は2000年前のパレスチナで救世主イエスの誕生を知らされたユダヤの王ヘロデが、イエスを殺そうと男の幼児を見境なく虐殺させたと伝える新約聖書の福音書の物語。兵士らに投げ殺される赤ん坊や青ざめた新生児の死体などが生々しく描かれている。
サザビーズは当初、600万ポンド程度での落札を予想して300万ポンドから競売を始めたが、たちまち値がつり上がった。「世界的株価下落で資産家が芸術作品に資金を移そうとしているのかも」との見方も出ている。
英BBC放送によると、絵画落札の過去最高額は米ニューヨークのクリスティーズで1990年に落札されたゴッホによる肖像画の8250万ドル(約97億円)。2番目はニューヨークのサザビーズで同年落札されたルノワール作品で7810万ドル。
(ロンドン共同)