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(回答先: ドル安こうみる:ドル安の流れ、止まる気配感じられず=東京三菱銀 深谷氏(東京10日ロイター) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 10 日 12:02:29)
日本銀行政策委員会の中原真審議委員は10日、長崎市内で講演し、「内外の実体経済面や市場における何らかのショックなどで景気の腰折れなどダウンサイドリスクが顕現化する恐れが強まる場合や、金融システムが不安定になる場合には、(当座預金残高)目標の引き上げや、そのための調節手段の一層の工夫を検討すべき」と述べた。
中原委員は「銀行は財務体力を既に使い果たしており、金融システムはなおぜい弱と言わざるを得ない。本年末にかけて株価の動向次第では、金融システムに対する不安が、本年初めにみられたように再び高まる恐れは否定できない」と指摘した。
来年4月の流動性預金のペイオフ解禁については「モラルハザードを起こさせないとの観点からは、予定通りの解禁が望まれるのは言うまでもない」としながらも、「本年4月の定期性預金とは質的に異なる、はるかに大きな影響を与えるものであるということも認識しなければならない。金融機関、政府、そして日銀も、流動性預金のペイオフ開始のためにどのような環境や条件が必要か検討し、早めに認識の統一を図る必要がある」と述べた。
「外債は調節手段としては考え得る」
景気の現状については「一言で言えば、輸出の増勢を背景として底探りから底固めへと向かいつつあるという局面であろうかと思う。今後第4四半期にかけて、わが国経済は全体として緩やかな回復基調に入ると思うが、その足取りは弱いものになりそうだ。物価についても、円高基調への転換や内需の弱さを反映して、デフレ傾向が続くとみられる」と指摘した。
当面のリスク要因として、1)輸出の持続性、2)設備投資、消費の回復のタイミングと強さ、3)米国経済の不透明性、4)為替――を挙げたうえで、1)については「いずれ輸出の増加テンポは緩やかになってくる」、4)については「この先どんどん大幅なドル安が進むとはみてないが、日本をはじめ世界景気の先行きをみるうえで注意を要すると思う」と述べた。
金融政策運営面では「外債を買い入れることについては、調節手段としては考え得ると思うが、法律面でもクリアしなければならない問題があるし、ある程度継続的で安定的な調節手段としては、当面、直ちに採用すべき方法とは思われない」と語った。
「緩和の軸を振らさない」
インフレターゲットについては「方法論と切り離した目標設定は意味がないと思う。ターゲットを設定したからといって、インフレ期待が出てくるとは思われない。ただ、中央銀行が、物価安定の定義として物価上昇率について具体的な数字を持っておくことは必要なことではないかと思う。ただ、これは金融政策の問題というよりは、中央銀行のガバナンス(統治)の問題だと思う」と指摘した。
現行の量的緩和政策については「市場機能や価格メカニズムを失わせ、信用さえあれば必要なときに必要なお金がとれるというアベイラビリティを損ない、結果として緩和効果を抑制することにならないか、慎重にみておく必要はあると思う」と述べた。
その一方で、「10−15兆円の目標の高いところ、現実には15兆円の水準を目標として、景気回復が明らかとなり、その持続性と自立的回復過程に自信が持てるようになるまで今のスタンスを続け、緩和の軸を振らさないことが必要と思う」としている。