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2001年1月20日に発足したブッシュ米政権は、ニクソン政権以来の株安に見舞われている。政権発足後1年5カ月のS&P500種株価指数の下落率は29%と、1969年にスタートしたニクソン政権の同時期の27%を超えた。
ニクソン政権時代はベトナム戦争やリセッション(景気後退)の始まりが株式相場に打撃を与えたが、今回の株安の元凶は、株主を欺き投資マインドを冷え込ませたワールドコムやゼロックス、アデルフィア・コミュニケーションズなどの米企業。トレバー・スチュアート・バートン・アンド・ジェーコブセンで7億ドルの運用に携わるクラール氏は、「ブッシュ大統領は(株安の)責任を問われないとしても、相場を好転させる責任を負わねばならないだろう」と語る。
ブルームバーグ・ニュースとギャラップによる世論調査によると、ブッシュ大統領に対する支持率は70%と、過去40年間の歴代大統領で最高。1962年のケネディ元大統領の69%を上回るとともに、父親のジョージ・H.W.ブッシュ元大統領の1990年の支持率に並ぶ水準だが、ここでブッシュ大統領が投資家心理を回復させていかなければ、支持率は今後低下しかねないとの見方もある。
クレディ・スイス・アセット・マネジメントで570億ドルの運用に携わるスタンレー・ナビ氏は、「ブッシュ大統領は(行動を起こさなければ)、企業寄りで、過去最悪のペースで広がるホワイトカラー犯罪を見て見ぬふりをしていると非難されよう」と指摘する。
米史上最大の企業破たんとなった昨年12月のエンロン事件以降、毎週のように企業の不正会計が発覚している。このために、先月実施したブルームバーグの世論調査では、米国民の49%が株式投資には不向きな時期だと判断していることが分かっている。
ブッシュ大統領はワールドコムの39億ドル(約4600億円)の粉飾決算を「言語道断」と述べており、9日のニューヨークでの演説では、投資家を欺いた企業幹部に対する処罰の厳格化を訴えた。11月には中間選挙を控えているだけに、株式市場に対する信頼回復は同大統領にとって不可欠との見方も投資家の間では少なくない。