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(回答先: IT社会が招く「深刻な電力不足」〜米国も政策変更へ[PAXNet] 2002/07/02 12:37:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 02 日 13:59:32)
>それは「200年レベルでの情報化が進むと2010〜2015年には全米で100基もの新設原発
>が必要になる」との指摘があるからで、ITのもつ電力多消費の新たな課題がブッシュ
>大統領の再三の発言に集約されているといえよう。最新のペンティアムプロセッサー
>の表面温度が130℃にも達するデータは、実はあまり知られていない。
通信インフラやサーバーは別として、パソコン1台当たりの電力消費量絶対値が、数十(40程度)Wから数百(300程度)Wに増加し、なかでもCPUがmW単位から30Wに増加したことは事実である。(だから冷却ファンが必要)
しかし、“仕事比”ではOSが消費している割合が高くなっていることからあまり変わらないかもしれないが、“能力比”では電力消費は下がっていると言える。
「IT(情報技術)化」は効率化と生産性上昇をもたらすとされているのに、「全米で100基もの新設原発が必要」が現実になれば、「IT(情報技術)化」は非効率化と生産性低下をもたらすということになる。
それでも「IT(情報技術)化」が効率化と生産性上昇をもたらしたと結論づけられるのは、他のエネルギーや財(労働力を含む)の消費が増加した電力エネルギー以上に減少するか、電力エネルギー単価が消費増加率以上に下落するか、経済成長が電力エネルギーの増加以上の高率で達成されたときである。
想定している需給逼迫のなかで、電力エネルギー単価が消費増加率以上に下落する可能性は極端に低い。
他のエネルギーや財の消費が減少すれば、マクロ的には増減なしである。
電力エネルギー単価が変わらないまま経済成長が電力エネルギー消費増加率以下であれば、他の財やサービスに向けられるお金が電力会社に回るだけであり、他の財やサービスを供給している企業の収益を圧迫する。
「IT(情報技術)化」がもたらす効率化と生産性上昇は、基本的に、労働力の消費(雇用)減少によるものである。
詰まるところ、「全米で100基もの新設原発が必要」になるということは、100基分の原発が送り出す電力消費に支払われる金額以上に雇用が削減されたときに初めて、効率化や生産性上昇を達成したということである。
「IT(情報技術)化」で失業した人が全員新設原発に雇用されたとすると、マクロ的には効率化や生産性上昇が達成されたとは言えない。
それだけの失業者を出しながら、それを吸収して経済成長を維持していくためには、発生した失業者を吸収する厖大な市場規模を持つ新しい労働成果財を“創造”しなければならない。
最後に残るのは、娯楽(知的快楽を含む)目的の「IT化」進展による電力消費増加である。
「全米で100基もの新設原発」に相当する雇用喪失が、果たして、娯楽目的で「全米で100基もの新設原発」に相当する電力エネルギーの増加を生み出すだろうか。