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金融庁は、合併した金融機関に限り、ペイオフ(破綻(はたん)時の定期預金などの保護額を原則元本1000万円とその利子とする)の特例を設け、預金の保護額を引き上げる方向で関係省庁などと最終調整に入った。合併金融機関の数に応じ、保護額を1000万円ずつ上乗せする案が有力だ。特例措置の期限を区切ることも検討する。来春のペイオフ全面解禁に反対意見の根強い地域金融機関を主な対象に、合併時に特例を設けることで、数が多すぎるとされる地域金融機関の再編に弾みをつける。
不正を防ぐため、合併期日などの基準日を設け、その時点で1000万円を超えている預金を特例の対象にする。保護の上限額は、金融機関が預金保険機構に支払う保険料の負担を増やさないように、合併する金融機関1つ当たり1000万円とし、合併金融機関が2行なら2000万円、3行なら3000万円とする方向だ。
保護額の引き上げを証明するため、合併する複数の金融機関にまたがる同一名義の預金を名寄せしておき、破綻時の保護額引き上げの証明を預金通帳につけたり、別に証明書を発行したりする方法が検討されている。
地域金融機関の合併では、預金額が1000万円を超える預金者が動揺し、新たな預け替えで預金が流出しかねない、と指摘されてきた。今回の特例は、合併しても大口預金が逃げないようにすることで、金融機関と預金者双方に安心感を与え、金融システムの安定に欠かせない地域金融機関の再編をしやすくする狙いがある。
今年4月の定期預金などを対象としたペイオフ解禁で大口の預金を扱う自治体や地方公共団体、マンション管理組合、中小企業は金融機関の選別を強め、1000万円超の預金を単一の金融機関に預けるのを嫌って預金を複数の金融機関に分散させる傾向を強めている。合併による預金保護額の引き上げは大口預金者の保護につながるとの判断も金融当局にある。
合併時の預金保護については、米国が合併後半年、韓国は同1年、保護の基準額を上回る預金が猶予措置として保護されている。金融庁は、日本の場合、特例期間を、どれくらい長くすれば適当か検討している。
また、コンピューターシステムに必要な負担増や違法行為を防ぐ仕組みなどをさらに詰める必要があり、金融庁は慎重に関係省庁などと調整を進めている。(03:34)