現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 国民の税負担増は不可避 政府税調が税制見直し案を答申〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 14 日 21:27:02)
またまた、諮問機関が「デフレ不況」を長引かせようとしている。まあ、諮問機関というのは、政府等の政策にお墨付きを与えるものだからね〜。ある意味しょうがないかもしれない。
ところで、所得税の課税限度の引下げや、各種控除の撤廃、消費税増税でで、税負担が増えるのは、低所得者。税負担が減るのは、高額所得者。このことをよく認識したほうがよい。
この機関が言うところの「不公平感の是正」とは、高額所得者の「不公平感」であろう。上記の施策を実行すればこの「不公平感」は高額所得者においては「是正」されるだろうが、低所得者は、「不公平感」を「増幅」するだろう。とりわけ、消費税の増税は、逆進性を持っているため、低所得者に重く、高額所得者に、軽くなる傾向がある。
もちろん、各種控除については、複雑すぎるので簡素化する必要はあると思われる。しかしながら「簡素化」=「撤廃」ではなかろう。言葉は悪いかも知れないが、「複雑すぎるからなくしてしまえ」という理屈は、小学生でもわかることである。
所得税の課税最低限度額についても、「ちょっと違うんじゃないの〜?」と言いたくなる。低所得者は、所得を消費にまわす率が大きく(消費性向が高く)、高額所得者は所得を消費にまわす率が、小さい(消費性向が低い)ということは、ミクロ経済学で学習するはずである。
もちろん、高額所得者のほうが、低額所得者よりも大きい金額を消費する傾向がある。しかし、消費性向が高い経済主体の消費を抑え、消費性向の低い経済主体に消費を促すというのは、理解に苦しむ。前のカキコでも書いたが、”貧乏人→カネがなくて、欲しいものが買えない。カネ持ち→欲しいものは大抵そろい、カネが余って貯蓄する”のだから、貧乏人にカネを渡せば、消費するのである。
そこで、経済学の理論(机上の空論かもしれないが)から言わせれば、Y=C+I→IをSに置き換えて、Y=C+Sである。(Y:GDP,C:消費,I:設備投資,S:貯蓄)この式が何を意味しているのか考えてもらいたい。国民所得から消費を減じたものは設備投資であり、その設備投資は、貯蓄(これまた国民所得から消費を減じたもの)と等しくなる。すなわち、家計と言う資金余剰主体の貯金が、資金不足主体の企業の設備投資に回ると言うことだ。これは、消費する金額及び率が大きければ大きいほど貯金できず、企業の設備投資に回らなくなることを意味する。
以前の、私のカキコで、あっしらさんのレスから引用させていただいた言葉、「貧乏人にお金を回しても、結局は、企業や金持ちに戻ってくるもの」及び「貧乏人にお金を回さなければ、結局は、企業の一部が破綻したり、金持ちの一部が貧乏人になっていくもの」であると私も考える。さらに引用させていただくと、「このような経済論理が理解できない人たちが、政策運営や企業経営を行っているのが日本の不幸です。」であると思う。
大体、政府「税制」調査会なのだから、税の基本となる財政学やその原理であるところの経済学を知らないとはいわせない!! ということは、知っていてやっているということだろう。上記の式や「消費性向」「応益説」「応能説」「水平的公平」「垂直的公平」。これらのうちひとつでもわからない用語がある調査会のメンバーは辞表を出してほしい。これがわからないようでは、「税制」の議論がまともに進まないし、第一できるわけがない。そして、誰もが驚く突飛な結論を答申するだろう。