現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 日本民族の特性はどのように形成されたのでしょう? 投稿者 如往 日時 2002 年 11 月 15 日 06:23:50)
如往さん、はじめまして(ご住職でしょうか、このお名前は)。たこです。
>「日本民族の特性」という標題の中で、戦前の日本を概括されていますが、では日本民族の特性ならしめた淵源及び成立の事由についてご教示いただければ幸甚の至りに思います。
それだけの学識があればと我が身の浅学を恨みます。ただ、限られた知識で考えてみても、日本民族の特性を形作って行った淵源はかなりの昔に遡るのではないかと感じます。農耕民族であったことや、日本の気候や風土、地政学的な条件なども様々に影響しているものと思います。そして、この民族的特徴というものは、思想に限ったものではなく、芸術や学術、否ありとあらゆるものに反映されていると思います。
開戦と敗戦の戦争責任問題を徹底的に問うことをしなかったこと、アジア諸国への賠償責任を曖昧にすることは、日本人の未熟さ蒙昧さの現われであるとされる意味は分かります。その問題を越えることで国と国民の尊厳を取り戻し、本当の政治的自立性が確保されるとする考えも理解できます。
しかし、まず、戦争責任に関して言えば、サンフランシスコ講和条約の後、昭和天皇が退位しなかったこと、天皇制を廃止しなかったこと、にも関わらず日本国民から大きな不満は出なかったこと、これが日本の出した結論そのものではないですか。天皇の戦争責任は、自分達一般庶民にある責任よりは当然大きかったであろうが、軍指導部ほど大きくはなく、退位なさるほどのものではない、ましてや天皇制廃止などとんでもない、今後政治的に担ぎ出されてやっかいな時代にならぬよう歯止めさえあれば良い、と考えたのですね。
曖昧といえば曖昧ですが、これが日本的な「柔らかい」良さでもあると思うのです。例えば似たような境遇のドイツを見ると、こんな感じでしょう。「オレ達は絶対に悪くない。悪いのはナチスだ。ナチスのマインドコントロールの巧妙さを抜けられる民族はいなかったであろう。居たというのならそれを証明して見ろ。ゆえに、悪いのはドイツ民族ではなく、ナチスである。ナチスの残党は徹底的に追及する。ドイツ民族は今も昔も変わらず良い民族である。」私は、祖国がこういう徹底した国でなくて良かったなと思うんです(日本の風土で育った日本人だからそう思うのかも知れませんが)。
近隣諸国の賠償問題については、逆に訝しく思える面すらあります。もう中国とも韓国とも片が付いた話しなのではないか、露悪的に言えば端に奴らはタカッているだけなのではないか、と。日本が韓国や中国の立場にあれば、あのように執着的態度を見せたか疑問です。ただ外交とは、他の民族とのお付き合いですから、自国民が感じるようになぜ感じてくれないのか、としても詮無いことでしょう。
強く感じるのは、戦争責任にしても賠償問題にしても、それを徹底的に突き詰め、極端な結論を出すというのは日本の民族性に照らすとあまりありそうもないことであって、あえてそのような方向に引っ張ることは、民族性の破壊に繋がるのではないか、という危惧です。何が何でも責任者を作り上げ血祭りに上げねば気が済まない、悪いことをしたのだから幾ら謝っても謝りすぎる事はない、どちらもほどほど、というか中庸からは随分とかけ離れた精神態度のように見うけます。