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キリスト教と利息取得 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 16 日 17:24:39:

(回答先: Re: キリスト教専門家のかたへ:利息禁止してるってホント? 投稿者 ナンジャモンジャ教 日時 2002 年 10 月 12 日 23:52:10)


ナンジャモンジャ教さん、こんにちわ。

呼び掛け対象が「キリスト教専門家のかたへ」でしたので、そのような方による投稿があるのを待っていましたが今もってないので、キリスト教非専門家ながら私なりの見解をレスさせてもらいます。
(詳細は、キリスト教専門家に委ねたいと思っています)


カソリックは、旧約聖書の規定とカソリック神学の基礎となったアリストテレスが『政治学』で「貨幣が貨幣を生むことは自然に反している」と述べていたことからカノン法で利息取得を禁止していました。
(修道会や騎士団が利息付き貸し付けで金儲けをしていたことが有名ですが...)

キリスト教という大枠で利息を認める方向を打ち出したのは、16世紀の宗教改革家カルヴァンです。
カルヴァンは、予定説とともに、「財産の拡大や富の蓄積」を正当とする経済活動の自由を唱え、利息の取得も正当な経済活動としました。

スイスで基盤を確立したカルヴァン主義は、スコットランド及びイングランドでピューリタン(長老派・独立派)として広がり、フランスではユグノー、オランダではゴイセンと呼ばれました。

カルヴァン主義が浸透した英国・オランダ・フランス・スイスという国々の歴史を考えれば、カルヴァン主義が近代資本主義に及ぼした影響の大きさが理解できるはずです。
(陰謀論的には、カルヴァンはユダヤ人で、その筋の意向で宗教改革運動を行ったという話もあります)

ヴェーバーの『プロテスタンティズムと資本主義』も、カルヴァン主義プロテスタントに言及したものです。

英国では、ヘンリー8世が1545年に年率10%までの利息取得を認める法令を発布しました。

カソリックが利息取得を認めたのは19世紀です。


※ 聖書の利子取得禁止記述

>聖書のどの章句にそれが書かれている、あるいはそう解釈ができるのがあるのでしょ
>うか?

「出エジプト記」22:「もし、あなたがわたしの民、あなたと共にいる貧しい者に金を貸す場合は、彼に対して高利貸しになってはならない。彼から利子をとってはならない」
「申命記」23:「同胞には利子を付けて貸してはならない。銀の利子も、食べ物の利子も、その他利子が付くいかなるものの利子も付けてはならない。外国人には利子を付けて貸してもよいが、道号には利子を付けて貸してはならない」

※ 利息禁止を逃れるためのいくつかの手法

利息取得禁止のなかでも利息を伴う金貸しは行われていました。
また、利息取得禁止を守りつつ利息を得る方法も実行されていました。

1)売買契約:

AがBに1億円を貸して10%の利息を得る。
AはBにある物を1億1千万円で売り、1年後にBがそれを支払う契約を交わし、それと同時に、BがAに同じ物を1億円で売り、即座にAがBに1億円を支払う。

Bが1年後に1億1千万円を支払えば、10%の利息を支払ったのと類似的な経済効果になる。


2)地代形態:

AがBに1億円を貸して利息を得たいときに、Bが所有する土地をAに預ける。
その土地が生み出した生産物の売上をAのものとする。


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