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(回答先: 今週号の『ニューズウィーク日本版』は必読! − 米国大統領が「イスラムは敵である」と公言できるはずもない − 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 10 日 18:52:56)
あっしらさん、レス有難うございます。
ベトナム戦争からイラク攻撃まで全て経済論理(支配層にとっての)で説明するあなたの手際のあざやかさにある面感服致しました。
「金のためにそこまで執拗に陰謀を張り巡らせるような層が本当に存在するのだろうか。」というのが率直な感想ですが、
「それは一般人には分からない世界だ。本当に存在するのだ。」と言われれば押し黙るしかありません。少なくともあっしらさんの
説明に論理的な矛盾は見出せませんでした。
>また、別の記事では、CIAとブッシュ政権強硬派の「イラク観」をめぐる対立も書かれています。CIAはイラクの脅威は差し迫ったものではないという立場です。(それがCIAのどういう思いを反映した報告であるかを推察するのが面白いと思います)
このことには大変興味があるので、お時間のある時にあなたのお考えを教えてください。
「経済支配層の陰謀は存在する」という立場と「それはあるとしてもそこまで徹底したものではない」という立場を闘わせても
水掛け論になると思うので、ひとまず、あっしらさんの立場が正しいとして議論を進めたいと思います。
「米国民の信じる正義」と「経済支配層の利害」が合致した時に米国が大きく動くと言えるでしょう。従って前者による後者の不断の監視
が必要ということになります。マスコミも後者によって毒されている面があるということですから、難しいところもあるのでしょう。
米国以外の国は、この二つの力の相互作用でアメリカという国が動いていることを熟知し、現実的な対応をしなければならないのでしょう。
「経済支配層」というものを抹殺してしまえるならその手がありますが、現実には無理な相談だとしたら、彼等と米国以外の国の
知恵比べの様相を呈してくると思います。つまり、彼らの存在そのものとその影響力を認める一方で、彼らを上回る知恵によって
彼らの陰謀を封じ込めるということです。
ここではイラク及び中東がテーマになっているので、その事に話を限定すると、中東諸国はフセインの追放とイラクの武装解除
に関する米国や国連の動きを全面的に支持すべきです。テロへの反対とその摘発や弾圧についても積極的に支持・協力すべきです。
これによって、米国(経済支配層)にそれ以上の介入の口実を与えないことが必要でしょう。「米国民の正義」を味方につけるということでもあります。
フセイン政権なき後もイラクに安定政権を生み出すための積極的な協力が必要でしょう。ガタガタやっていると付けこまれるので
アラブの大義を一番大きな枠のところで守るには、小異を捨てて大同につくことが重要だということになります。
自由主義や民主主義が各宗教を超える普遍的なものではないか、との問題提起に、その考え自体が宗教だとのご批判を戴きました。
その批判は甘んじて受け、私は自由民主主義教信者であるという位置付けでも良いのですが、これがイスラムで受け入れられるか
どうか、一考の余地は捨てきれないのではないでしょうか。
同じ一神教のキリスト教も、その発生原初に近づけば近づくほど原理主義的だったと思います。聖書によれば金持ちが天国に
行くのはラクダが針の穴を通りぬけるより難しいのだそうですから、敬虔なクリスチャンほど資本主義からは遠ざかるはずです。
これが2000年を経て、一言で言えばキリスト教そのものが世俗化して、今のようになっているのだと思います。イスラムにも
近代合理主義のEnlightenmentの光をあて、どれだけ世俗化するか、試して見れば良いと思うのです。
先にも述べましたが、私はあまりイスラム教義を知りませんので、断定は避けますが、どうしてもムスリムの人々も戦前の日本人
が信じていた現人神的な幻想を抱いているだけなのではないか、という気がするのです(1400年の歴史を誇る宗教だからもっと筋金入りでしょうが)。姦通を犯した女性は手首を切り落とされ
石打の刑に服する、などやはり尋常とは思えません。キリスト教と同様の経過をたどれば、ムスリムも世俗化するというのが私の考えです。
勿論、ムスリム以外の地域が実害を被ることなしに、上記の試みをイスラム社会に強制的に課するのは間違っています。
最終的には彼ら自身が選び取るものですから。