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先週土曜日未明の「朝ナマ」と日曜日の「サンデー・プロジェクト」で、合わせて4時間余り田原総一郎氏の“仕切りぶり”を見聞きした。
「朝ナマ」は“アメリカは正義か”というテーマで行われ、ピョンヤン首脳会直後ということもあり、北朝鮮問題も大きな比重で取り上げられた。
視聴者アンケートでは、米国のイラク攻撃に日本が協力すべきかという問いに、66%が反対で22%が賛成という“好ましい”結果が出ていた。(数字は微妙に違っているかも知れないが、3:1という割合であった)
親米派の森本敏氏(元内閣調査室現拓殖大学教授)までがブッシュ政権は9・11以降「気が触れている」というほどだから、イラクという主権国家の政権打倒と武装解除を目的とした米英の軍事行動に日本が協力するということがどのような意味を持っているかがそれなりにわかるというものだろう。
「朝ナマ」にも出演し、フセインは国連議決をことごとく無視しており、米英のイラク攻撃に日本も積極的に支援すべきと声高に叫んでいた石破代議士が防衛庁長官に就任したのには笑ってしまうと同時にうすら寒さを感じた。
国連議決内容を遵守していないということを根拠に軍事行動を煽るのであれば、イスラエルに対してもそうしなければならないということくらいは石破代議士ならご存じだと思う。(石破氏の人事は北朝鮮との国交正常化交渉をスムーズに進めるための“囲い込み”だと理解しているが、よりによって防衛庁長官とはね)
新聞メディは取り上げていないようだが、昨日のTVメディアは、石破防衛長官が、徴兵制の必要性やイラク攻撃の後方支援を主張している映像を報じている。(又聞きですので、詳しい情報をお持ちの方はフォローをお願いします)
この二つの主張を公言したことで、防衛庁長官の職はふっとぶべきだと思うのだが...
前置きが長くなったが、本論は次の内容である。
田原総一郎氏は、「朝ナマ」でも「サンデープロジェクト」でも、北朝鮮問題で次のような趣旨の発言を行った。
● 昨年末の不審船は自爆まで行って国家やキム総書記に尽くしたのに「軍の一部が...」として切り捨てられた。
● 不審船問題で「軍の一部が...」と言い、拉致問題で「妄動主義や歪んだ英雄主義が...」と言ったことは、キム総書記が権力をきちんと掌握していない証である。
1)昨年末の「撃沈不審船」について
まず、昨年末の「撃沈不審船」が北朝鮮の工作船であるという雰囲気の認識で決着したことを好ましい政治決着だと考えている。
これまでも主張してきたが、昨年末の「撃沈不審船」は“犯罪関連の中国人所有船舶”だと認識している。(そのような主張を昨年末に書き込んだことが、この「論議・雑談」ボードが生まれる契機となった(笑))
引き揚げられた「撃沈不審船」に自爆の痕跡がなかったと報じられていることを田原氏が知らないことを責めないし、自爆があったとしても変わらない主張だが、あの時点での自爆をもって「工作船」と捉える田原氏の認識力に疑義を投げかけざるを得ない。
高い使命感と志気を維持している工作機関要員が、航行力を極端に落としながら海上保安庁の巡視艇6隻に周りを囲まれた状態で勝ち目のない応戦を行うことはない。
自爆を敢行するのなら、もっと早い段階で確実に行ったはずである。
田原氏が自爆したと考える時点までに、300発を超える23mm機関砲を撃ち込まれて、数時間前から火災も起きている。
“素人”である犯罪者集団であったが故に、窮鼠猫を噛むというたとえに従って、無謀と言える応戦にうって出たのである。
2)キム総書記の謝罪
「拉致問題」及び「不審船問題」に対して、キム総書記が、その事実を認め、軍・特殊機関・工作機関の一部が行った不祥事だと謝罪し、二度と起こさないと誓ったと日本政府が発表した。
田原氏は、それをもって、キム総書記は追い詰められており、権力も十分には掌握していない証だと説明した。
私は、キム総書記が追い詰められていて権力を十分には掌握していないのであれば、あのような謝罪を行うことはなかったと考える。
日朝国交正常化さらには米朝和解のためであれば、「拉致問題」や「不審船問題」の責任を軍・特殊機関・工作機関の一部に押し付けても何ら不都合がないほど、キム総書記は北朝鮮の権力を十分に掌握していると考えるほうが素直であろう。
権力掌握を不安に感じている最高権力者があのような説明を日本政府に許可するかどうかは、ちょっと冷静に考えればわかることである。
北朝鮮に対する言説では、嫌悪の象徴としての“キム王朝”崩壊願望意識に基づくものが多すぎるように見受けられる。
「北朝鮮が崩壊しそうな今こそ日本がカードを握って交渉に当たれる」という強気言動もあるが、北朝鮮が崩壊しそうになったら、韓国・中国・ロシアが何とか支えようとすることは自明だし、米国だってそうする可能性があると考えている。
容認できない価値観や醸成された嫌悪感をベースに現実を眺めても有効な認識ができるとは思えない。
価値観と現実論理を切り離した思考こそが現在多くの人に求められていると考えている。
(嫌いなものを嫌いと主張することは健全なことだと思っている。経済など肝心なことに対してそのような主張がほとんど見えず、論理や学問的言説が幅を利かせ、好き嫌い的主張がくだらないものだとして抑え込まれていることを憂慮している)
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※ 参考書き込みリスト
[撃沈不審船関係]
『Re:お答えします』
( http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/6.html )
『「“無国籍”の中国人所有の船舶」説を補強する22日夜の安部官房副長官判断 [読売新聞]』
( http://www.asyura.com/sora/war7/msg/678.html )
『「不審船事件」の“船籍”問題で『読売新聞』オンライン版記事の姑息な差し替え発覚!不審船は“中国人保有の無国籍船”がより濃厚!!』
( http://www.asyura.com/sora/war7/msg/729.html )
『海保追跡中の「撃沈不審船」に「中国漁船」と見られる仲間の船が接近 [FNNニュース]』
( http://www.asyura.com/sora/war7/msg/840.html )
『ようやく記事になった「不審船撃沈」直後の日中外交交渉 [読売新聞]』
( http://www.asyura.com/sora/war7/msg/900.html )
『Re:400点以上の回収物から2点だけを公表して北朝鮮説を煽るという笑い話』
( http://www.asyura.com/sora/war8/msg/198.html )
『『読売新聞』は信念に基づき「撃沈不審船」=中国人保有船説を主張したらどうだい!』
( http://www.asyura.com/sora/war8/msg/201.html )
『「不審船」のお菓子袋及び漂流回収物に対する『コリアレポート』辺 真一編集長の発言』
( http://www.asyura.com/sora/war8/msg/209.html )
『なぜあの“撃沈不審船”が中国人関連であってはいけないか』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/252.html )
[ピョンヤン宣言関係]
『あまりにも“雑”であまりにも“政治的”な合意』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/204.html )
『「田中外相“解任”」→「八尾恵さん“拉致告白”」→「9・4“不審船騒動”」→「9・17日朝合意」』
( http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/245.html )