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(回答先: 所有権と占有権の違いそして競争原理 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 28 日 20:58:35)
こんばんは、話はかわってしまうかも知れませんが、ちょっと危惧することがあります。
>土地や生産手段の絶対的な排他的支配権としての私的所有は否定しますが、
>土地や生産手段の占有的利用権を認める立場です。
実際にものを動かしたり、食べたりする活動としての「実相の経済」と貨幣や証券とそれらにまつわる制度に彩られた「シンボライズされた経済」との一致が科学的な技術(車や飛行機だのの移動技術)によって支えられてきたが、これ以上の科学技術の進歩が望めず、「ものの移動」と「シンボルの移動」の量的な限界からくる不一致の差異に耐えきれなくなっている。という事実認識からくるものだと思うのですが、例えばSF的ではありますが、ドラエモンの「どこでもドア」(つまり瞬間移動装置)が発明されれば、現体制はまだまだ維持されるということとも考えられます。
しかしながら、ドラエモンの「どこでもドア」は当面不可能なことは誰もが認識していることだと思います。私が最も恐れるのは
>土地や生産手段の絶対的な排他的支配権としての私的所有は否定しますが、
>土地や生産手段の占有的利用権を認める立場です。
ということも、かたちを変えて折り込み済みなのではないかということです。特に食物に関して言えることで、消費者の土地で食物が簡単に出来れば、現在ある物理的限界としての「ものの移動」がある程度解消される。あとはどのようにこれをコントロールするかということですが、その技術として遺伝子組み替えと著作権があるのではないでしょうか?
著作権で守られた種子を提供し、物理的移動量を低減するしかし生産量を低減することなく、かつ土地や生産手段の絶対的な排他的支配権も侵すことを必要としない。最近では「ターミネーター技術(1シーズン後に種子が死滅するよう遺伝子を組み換える技術)」が開発され、遠隔的に生産量を操作できるようになり、著作権を楯に実質上の生産の独占権を持つことが出来るようになってきている。当然、地域のオリジナルな植物との交配により、地域の植相までもが侵されていく可能性も極めて高い。あとは遺伝子組み替え種子の供給体制を強化すればいいわけである。
こうしたことから、あっしらさんの予想される
>どっちにしても、保有する通貨を増殖させることにこだわる「近代経済システム」
>はまもなく行き詰まります。
>どの先進諸国も財政不如意になったなかで資本化されることのない私的利潤を許し
>ている限り、身動きできない歴史段階に「近代経済システム」は到達したのです。
が延期され、遅かれ早かれ近代経済システムの終焉が自明であるとしても、見た目の地域固有性がある程度是認されつつも、本来人間の持つポテンシャリティーが疲弊しながら、実質、現体制が維持強化されていく可能性があるのではないでしょうか?
私たちは「本来人間の持つポテンシャリティーの疲弊」を是認しながら、現体制に従わざる終えないのではないでしょうか。