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(回答先: 歴史的基本認識 投稿者 書記長 日時 2002 年 9 月 24 日 17:25:29)
レスありがとうございます。
● 遅れた条件での近代化志向
日本統治時代の朝鮮半島の近代化過程を否定するものではありませんが、日本自身が「遅れた条件での近代化志向」のなかで戦前・戦中・戦後の歴史を歩んできたのです。
欧米先進国との比較やその圧迫のなかでの歴史過程という意味で、「遅れた条件での近代化志向」という類似性を提起しています。
● 儒教的政治価値観
儒教の受容において、日本が朝鮮及び中国と異なっていることは認めます。
政治支配構造も、中国や朝鮮の専制王朝支配とは異なるものです。
前近代の日本の政治支配構造は、縄文的共同体の上に弥生的支配構造が被り、そこにさらに縄文的共同体の対抗が浮かび上がったものだと考えています。
しかし、統治者の価値観ベース及び統治手法が儒教にあったことは否定できないと思っています。(とりわけ江戸期の朱子学は朝鮮に大きな影響を受けたものです)
また、西欧の封建構造と日本の支配構造を同一視していません。
江戸期までの日本は、農耕村落共同体を基礎とした多層的な支配構造で、西欧の領地(土地所有)支配を基礎とした王・貴族・騎士の主従関係の支配構造とは別物です。
(平安期までのほうが西欧中世と似ていると言えます)
土地支配と政治的支配を分離したことが前近代の日本の大きな特質だと思っています。
● 北朝鮮の政治体制
まず、北朝鮮が、最強の米国に封じ込められた戦時体制国家であったことを無視することはできません。
日本の30年代から45年までに相当する臨戦態勢を現在まで続けてきたわけです。
(70年代までなら「南北統一」という“夢”に向けて南進を行う可能性や米韓により北への侵攻を恐れる必要もあったと思いますが、80年以降であれば、軍事力を弱体化させてもほとんど害がなかったはずです)
北朝鮮の政治弾圧や劣悪な収容所そして政治支配層の“贅沢”も否定するものではありません。
朝鮮戦争も、北側が仕掛けたものだと思っています。(推移は違うとは言え、北の思いはベトナム戦争を始めた北ベトナムと同じです)
指導者が誰であったかという問題ではなく、民族統一を志向し、共産主義的価値観を残しながら統一の基礎国家として自らを位置づけていれば、あのような政治体制にならざるを得なかったと見ています。
北朝鮮が救われる道は、民族統一を追求せず国家の尊厳も投げ捨て米国の国際戦略に迎合する指導者が実権を握ることだったはずです。
(国民生活を重視すれば、それが好ましい選択肢だったとも言えるでしょう)
> ぜんぜん違うと思います。北朝鮮では日本政府によって電気
>・水道・鉄道・ダムなどの基本的社会インフラ、学校制度と校
>舎、工場と近代市場・流通システムなどがすでに植えつけられ
>た状態で建国をスタートしたのは有名な話です。
60年代頃まで北朝鮮が韓国に比べて速いテンポで近代化した要因はご指摘の内容によるものです。
朝鮮半島の資源埋蔵状況から、日本統治時代は北地域に工業拠点が建設されました。
> それらの膨大な資産の見返りを北朝鮮はビタ一文日本に支払
>っていないことも有名です。
韓国も中国(満州)もビタ一文支払っていませんが、自国領土であった朝鮮そのものを日本が敗戦時に一方的に放棄したのですからやむを得ないことでしょう。
自国の資産どころか領土さえ守ることもできなかったのです。
> あの頃は、日本は今よりも自由市場経済的で、しかも地主が
>小作農を雇っているのが一般的だったわけですから、ああいっ
>た悲劇がおきたのは統治者やら制度が特に道を外れたおかしな
>ものだったからではありません。当時の世界経済・政治の標準
>はそんなものでした。
> アメリカでも世界大恐慌の時は多くの労働者やその家族が路
>頭に迷い、飢えや貧困に苦しんだものです。
戦前の日本は欧米に対抗して歴史的偉業にチャレンジしたという書記長の言とも思えません。
結局、日本は、欧米先進国と同じ穴のムジナということですか?
>何よりも、彼ら自身「12人中8人死亡」と自分たちの社会状況・国家機構の酷さを
>認めているではありませんか。
>隣国についてはある程度きちんとした認識をもたないと、自国の国際関係についての
>基本的な判断を誤ると思います。
北朝鮮が「12人中8人死亡」と報告したことは事実ですが、それがすべていわゆる“拉致”によるものかどうかや8人死亡が本当かどうかは不明です。
有本恵子さんを含むヨーロッパ組が、北朝鮮に“拉致”されて入国したとは考えていません。
(騙しリクルートや騙しオルグであったことは否定しませんが...)
日本のメディアは、日本人にも北朝鮮シンパが存在し、日本のパスポートが10年ほど前まで渡航先から北朝鮮を除外していたことをあまりにも軽視しています。
「拉致問題」は、国交正常化が終わった後で様々な情報が漏れ伝わってくる案件だと考えています。