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(回答先: イラクは大量破壊兵器を開発しているのか 投稿者 ぺーぺー 日時 2002 年 10 月 03 日 11:01:15)
ぺーぺーさん、こんにちわ。
いわゆる「自由主義」先進諸国の共通利益を擁護する役割を担う国家として外交力と軍事的活動力に富んだ米国を求めるという考え方は、欧米諸国との対抗関係にあった戦前の日本が、自国の存続と興隆はアジアでの権益確保に拠るとして外交力と軍事力に頼んだという同等レベルで一つの立場に基づく論であることを認めます。
また、現実的な力関係において、米国政権の行動を強制力をもって押しとどめることができる国家は存在しません。(自国に刃が向いたときには防御を行うという国家はありますが...)
※ イラク問題に関する考えは、添付リストの書き込みを参照してください。
>イラクは果たして大量破壊兵器を開発しているのか。本当に
>核兵器完成間近なのか。
湾岸戦争後のU.N.で対イラク武器管理が決議されているのですから、戦争に敗れたイラクに武器査察が入るのはやむを得ないことでしょう。
そのような歴史過程を除外するれば、主権国家が、国際条約で保持しないと約束していない兵器を開発していることをもって、他国が軍事力を行使するというのは異常事態です。
(近隣諸国をはじめとした諸外国が、軍備縮小を呼び掛け話し合うことは相互にメリットがあることですから積極的に行うべきです)
イラクやこれまでに米国などから軍事介入や軍事的恫喝を受けた国家が、そのような理不尽な対応を退けるために、より強固な軍事力を保持したいと考えるのも自然な成り行きです。
力関係の世界ですから、生物兵器禁止条約に加盟している米国が生物兵器の開発を継続していたことやイスラエルの核武装が公然の秘密であることを述べ立てても仕方がないことですが...
>国連の査察団がイラクから引き上げて4年経つという。その間に
>イラクで核開発に大いなる進展があったとする米英の情報は
>どうも正しいように見える。ここで叩いておかないと中東の
>バランスを大きく崩してしまうという読みがあるのだろう。
国連査察団にイスラエルのスパイを潜り込ませることでイラク政権を挑発したために査察が中断したのです。
ABC兵器の開発がその後どの程度進められているかは知る由もありませんが、目に見えるイラクの軍事力は、湾岸戦争当時の1/4まで低下しています。
高度技術の兵器はフランス・ロシア・北朝鮮など限られた国家からの輸入に依拠していますから、その動向は米国もきちんと抑えています。
中東諸国は、イラクのフセイン政権が崩壊するほうがバランスを崩すことになるとして、米英のイラク攻撃に反対しています。
イラクが、宗派的・民族的に危ういバランスの上にある国家で、近代政党であるバース党支配によってなんとか統一が維持されていることを軽く見るわけにはいきません。
>査察と言っても広いイラク領土をしらみつぶしにして当たって
>行っても有効とは思えない。査察団が来る前に移動できるもの
>も多いだろう。査察そのものの限界をアメリカは感じている
>のではなかろうか。だからもっと効果のあるフセイン政権の
>転覆まで狙っているのではないか。
有効だと考えたからこそ、U.N.で査察を決議し実行しているのではないでしょうか?
米国は高精度の偵察衛星で恒常的に監視しています。
フセイン政権の転覆がイラク及び中東にどのような影響を与えるのか、そして、そのような状況に対応する米国がどのような労苦を背負うのかは参考書き込みをご参照ください。
>イラクが核開発を進めていても攻撃すべきでないのか(中東の緊迫が高まっても
>放っておく)、それなら話は違ってイラク攻撃賛成という人が多いのか、気にな
>るところだ。
>イラクの核武装が見過ごされたら、イスラエルだけでなく周辺
>アラブ諸国にも影響が及ぶような気がするのだが。
イラクが核兵器を進めていても攻撃すべきだとは判断しません。
核兵器を保有している米国こそが、日本に対して実際に2発も行使し、核の先制使用を公言している唯一の国家です。
戦後世界を顧みればわかるように、対外軍事行動に狂奔した国家が米国であることも自明です。世界の軍事的災厄を取り上げるなら、米国こそ元凶です。
イラクの核武装を恐れ、イラクの原発を空爆して破壊するという核兵器行使と同等の愚挙を行ったのはイスラエルです。
結論的に言えば、米国を目に見える覇権国家とした世界構造を好ましいと考える人は、今次の米英の軍事行動を支持すればいいし、そのような世界構造に好ましい未来はないと考える人は、反対しなければならないということになります。
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[参考書き込み]
『米英はベトナム&アフガニスタンと同じく“大敗北”を迎えます』
( http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/173.html )
『メディア的世間知を超えて米国政権の狙いを推察しましょう』
( http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/173.html )
『米英の中東戦略』
( http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/201.html )
『日本は経済を回復し経済活動力を維持するしかありません』
( http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/220.html )
『ラムズフェルド氏(米国)とフセイン氏(イラク)の腐れ縁 [ニューズウィーク日本版9・25]』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/264.html )
『「ニューズウィーク」記事に対する独白』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/296.html )