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米軍全面撤退」重光試案を米拒む 60年安保改定交渉
日米両案判明、外務省が開示
日米安全保障条約の60年改定交渉に関連して、鳩山内閣の重光葵外相が作成させた「日米相互防衛条約」試
案と、米側が岸内閣に示した安保改定第1次案、それに対する岸内閣対案の全容が、そろって明らかになった。
情報公開法に基づく朝日新聞記者の開示請求に対し、外務省が交渉記録文書の一部(極秘指定、13通)を開示
した中に含まれていた。
開示された日米相互防衛条約試案(55年7月27日)は重光外相が作成を命じ、外務省条約局が実務を担っ
た。骨子は(1)日本も「集団的自衛能力」を維持し発展させる(2)条約区域は西太平洋とし相互防衛を発動
する(3)在日米軍は陸海空軍とも期限を切って「全面撤退」する――との内容。米側に手渡され拒否されたも
のの、その後の岸内閣による改定交渉での米側の出方に影響を及ぼした。
公式交渉が緒についた58年10月4日、岸信介首相、藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使による会談
の記録も開示された。米側が改定条約第1次案を提示し、大使が条文について説明している。条約区域を太平洋
(米領諸島と沖縄・小笠原)に取り、武力攻撃に反撃する「個別的及び集団的能力を維持し発展させる」という
内容で、重光試案と似ている。
これに対する岸内閣の対案は59年5月11日の藤山・マッカーサー会談録に登場する。日本側は第8条を新
たに起こし、「本条約のいかなる条項も、締約国の憲法の規定に反するいかなる義務を負わせると解されてはな
らない」という文言の包括的憲法順守条項を提示。憲法9条尊重の世論の風圧を意識せざるを得なかった岸内閣
の内情をうかがわせている。
が、この条項は米側により横線ですべて消されており、退けられた。
これに対し藤山外相は「特に憲法問題を含む規定は極めて慎重に考える要あり」と繰り返し、「憲法上の規定
に従うことを条件として」という文言の挿入や、集団的自衛権に通じる「集団的能力の維持・発展」の削除を主
張、受け入れられた。
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