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(回答先: ハザール人/広河隆一著 『パレスチナ 新版』 投稿者 はちまき伍長 日時 2002 年 5 月 29 日 02:50:03)
05/29 16:15 「誇り」取り戻すユダヤ人 ロシアからの移民が減少 外信52
共同
ロシアからイスラエルに向かうユダヤ人移民が減少している。背
景にはパレスチナ情勢の悪化だけでなく、多民族国家ロシアに居場
所を見いだしたユダヤ人社会の変化があるようだ。
旧ソ連政権下で信仰や文化的な自由を奪われ徹底的に弾圧された
ユダヤ人は、移民制限が緩和された一九八九年以降、奔流となって
イスラエルに向かった。ロシアを中心にした旧ソ連からの移民は百
万人を超す。
だが二○○○年を境に減少に転じた。ロシア極東のユダヤ自治州
からは今年第一・四半期に、前年比で半減。逆にイスラエルからの
帰国者は三倍になった。
「パレスチナ紛争が原因ではない。ロシアにユダヤ人として誇り
を持てる社会が実現したからだ」。ロシアの六十万ユダヤ人を率い
るチーフ・ラビ(宗教上の最高指導者)、ベレル・ラザール氏が力
を込める。
モスクワ市中心部のシナゴーグ(ユダヤ教会)。一九二三年にラ
ビが射殺され、九一年まで閉鎖された。今は毎日礼拝に訪れるマッ
サージ師のミハエルさん(55)は、簡素な建物を案内しながら「
今年四階建てに改築するんだ」と胸を張った。
現在、二週間に一カ所のペースでシナゴーグが再建され、百を超
すユダヤ人学校で七千人が学び、大学も四つ設立された。忘れ去ら
れつつあったヘブライ語やイディッシュ語(東欧系ユダヤ人の言語
)の教育や出版も盛んで、まさに「ユダヤのルネサンス」だ。
プーチン政権は、非ロシア人排斥を訴えるネオナチ・グループの
摘発など、親ユダヤ政策を進める。有力政治家がユダヤ人団体の集
会に出席する光景も見られるようになった。
ラザール氏は「多民族国家ロシアが、平和的な共存しか道がない
ことに気付いた」と指摘する。
しかし、昨年も三件のユダヤ人襲撃事件が起きるなど、反ユダヤ
人感情は厳然と残る。「彼らが天然ガスや石油会社の経営を握り、
国の富を独占しているからだ」と元外交官の男性(59)。政治家
の親ユダヤ姿勢には「経済力や欧米とのパイプが目的」との見方も
。
「国による差別や制限はなくなったが、人の心は分からない」と
話すミハエルさんは、ユダヤ人の小話を教えてくれた。「バス停で
『自由になった今、どう生きればいいのか』と若者に問われた老人
は『私のやり方をまねなさい』と答えた。それでどうしたと思う?
バスの一番後ろにひっそりと腰掛けたのさ」。(モスクワ共同=木
村一浩)
(了) 020529 1615
[2002-05-29-16:15]