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(回答先: Re: 第19回 帝国の暗い影 ●明るみに出されたアメリカの暗部 投稿者 星川淳の「屋久島インナーネット・ワーク」 日時 2002 年 5 月 24 日 16:44:54)
この3人を含む深層分析からアメリカ帝国の裏側をスケッチしてみると、次のような姿が浮かび上がる。
投票で選ばれる大統領以下の公式政府とは別に、早くも50年代からCIA(中央情報局)が主導権を握る影
の政府と裏政策が存在し、もう一つの現代史を紡いできた。たとえば、2029年まで封印されたJ・F・K暗殺
事件なども、キューバ進攻の失敗から組織防衛を図るCIA工作の疑いが濃い。(真犯人オズワルドは後方建物
にいたはずなのに、記録映像では明らかに車の前方から凶弾が撃ち込まれ、ケネディは後ろにのけぞってい
る!)
これらの活動には正式な国家予算が振り向けにくいため、CIAは少なくとも過去30年間なかば公然と麻薬
取引を行ない、独立採算に努めてきた。これには各地の警察も協力しているという。この麻薬密輸ルートは多く
の場合、帰路アメリカからの武器供与にも利用される。現在、こうした麻薬からの資金流入はアメリカ経済の不
可欠部分を占め、金融当局は国民、とりわけ将来世代を犠牲にした繁栄の維持を黙認している。
もちろん、単なるマフィアと違ってCIAが絡む麻薬・武器取引の目的はアメリカの覇権拡大にあり、冷戦期
はもっぱら反共工作がターゲットだった。中南米諸国への相次ぐ非道な政治介入(先日、ベネズエラのチャベス
政権転覆は失敗!)から日本のロッキード事件やイラン=コントラ・スキャンダルまで、一般には点でしか表面
化しなかったこれらの策謀を線ないし面としてつないでみると、アメリカの国家意思はむしろ明快に示されてい
る。そして冷戦終了後、共産主義封じ込めに替えて前面に出てきたのが、米国ルールによる市場メカニズムの貫
徹と圧倒的な軍事力を背景にした、資源・エネルギー・経済の独占支配――別名グローバリゼーション、和訳す
なわちコイズミ構造改革路線だ。
CIA長官のころしっかり裏道に手を染めた父ブッシュの副大統領(レーガン政権)と大統領時代に表裏一体
化の傾向が強まり、湾岸戦争で準備体操をすませたあと、軟弱クリントン政権を2期こらえながら、いよいよ満
を持して闇世界が表舞台に踊り出たのが、無能な御曹司を父ブッシュ人脈が操る子ブッシュ政権。これまでは軍
需・石油産業や極右キリスト教原理主義勢力が影で糸を引く慎みが残っていたけれど、いまやその黒幕たちが
堂々と閣僚クラスに顔を並べる。おまけに、この史上最悪の極道政権を成立させたのは、規制緩和の優等生を標
榜していたエンロン社などの巨額献金と、フロリダ州有権者名簿の不正操作による最高裁ぐるみの大統領選クー
デターだった。
アフガン暫定政権のカルザイ議長は、タリバン前夜にカスピ油田からのパイプラインを計画していた米ユノカ
ル社の元社員。タリバンが規制していたケシ栽培が復活し、世界市場のキャッシュフローも復調の兆し。アメリ
カ兵器産業は特需ラッシュ、等々、等々
つまり、9.11がどの程度“やらせ”だったかにかかわらず、その後の展開はほぼシナリオどおり。米メデ
ィアの大政翼賛ぶりを見れば、過度の市場支配が言論さえ資本に屈服させてしまう悪夢を実証している。日本国
内で足早に進むのは、このようなクラ〜い帝国の徹底した属国化だということを、われわれは深く肝に銘じなけ
ればならない。
ある意味で南北戦争を引きずるアメリカ合州国に必要なのは、第二の独立革命かも。
http://www.hotwired.co.jp/ecowire/hoshikawa/020521/03.html