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個人情報保護法は憲法違反ーコンピューター時代の治安維持法ー 投稿者 ザイン 日時 2002 年 5 月 22 日 15:11:09:

(回答先: <個人情報保護法案>米団体が小泉首相に抗議 報道の自由侵害と(毎日新聞) 投稿者 えーてる 日時 2002 年 5 月 22 日 13:08:12)

「弁護士梓澤和幸ページ」より
個人情報保護法は憲法違反ーコンピューター時代の治安維持法ー

1、今国会に提案されている個人情報保護法は、行政機関による命令、命令違反に対する刑事処罰規定を盛り込んだ。
 このため、結社、組合、集会、学問、表現など自由の諸領域に多大な抑圧をもたらす。
 私はこれをコンピューター時代の治安維持法と命名するが、これは誇張の修辞ではない。
 一般にはメデイア規制立法といわれるが、問題の一部をいいあてているにすぎない。
 次のとおり法案は憲法違反であり、国会議員、政府官僚の憲法擁護義務を喚起したい。

2、<規制の対象>
 法案は、データベース化された名簿だけでなく、索引可能なすべての名簿を対象としている。(二条2項一、二)
 法案は営利企業だけでなく、市民団体すべてを含む。1、の名簿をもっていれば規制の対象となる。(政府説明)

3、<規制する主体>
 主務大臣(41条)、または国家公安委員会、(41条)、警察庁(警察法5条に国家公安委員会は警察を管理するとされている。)
 地方公共団体の長、知事、その他の執行機関(56条)とあり都道府県公安委員会が除外されていない。
 知事の所轄のもとに都道府県公安委員会をおく。(警察法38条)とあるから56条では、警察が想定されているとの疑念がある。
 主務大臣の 所属の職員(57条)

4、<報告徴収権限>の意味するもの
 主務大臣および警察(56条)は、あらゆる団体(個人情報取り扱い事業者)に対し、個人情報の取り扱い(名簿、メーリングリスト等)について報告をさせることができる。(37条)

 <報告義務違反罪>
 もとめられて、報告をしないもの、虚偽の報告をしたものは、30万円以下の罰金に処せられる。(62条)
 なんだ罰金か、というわけにはいかない。
 状態犯であるから刑事訴訟法213条、217条により、令状なしの逮捕捜索(220条)がされるおそれがある。

5、<是正命令違反罪>
 主務大臣および警察は、コンピューターデータベースまたは索引付き名簿の目的外使用、第三者への提供について、是正勧告、是正命令、をだせるし、緊急のときは勧告ぬきで命令を出せる。(39条2項3項)

 命令に違反したものは、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金を処せられる。
 (61条)
 団体では,代表者だけでなく、代理人、従業者、使用人も処罰される。(63条)
 よって一網打尽である。
 現行犯逮捕、令状なしの逮捕,捜索(刑事訴訟法213条,217条,220条)

6、学問、報道について
 適用除外されたと理解されているが、適用除外するか否かの判断は主務大臣、公安委員会が握る。その判断の対象から除外されているわけではない。報道機関が報道目的で個人情報を取り扱うときに限り義務が除外されるにすぎない。
 主務大臣と警察がすくなくとも報告をもとめることができるのは間違いない。報告しなければ、現行犯逮捕、令状なしの捜索である。
 また是正命令もだせる。報道目的を否定すれば。判断は公安委(警察)がやる。

 学問研究では,大学の教師以外はみな、報告義務、是正命令遵守義務を負う。
 公安委(警察)が報告をもとめ、法の義務を守った研究か否かを審査する権限をもつ。
 大学人の場合も研究目的かどうか審査できる。

7、労働組合、弁護士会の活動については40条の配慮義務もない。

8、命令については、行政処分の公定力の理論で仮処分では争えず。行政処分の取り消し訴訟をおこし、執行停止を求めることができるにすぎない。

9、憲法違反
 法案は行政機関による事前審査、事前規制を許している。憲法21条2項は検閲を禁止しているがこれに反する。集会、結社、出版等の一切の表現の自由(21条)を抑圧する。また学問の自由保障の条項にも反する。
 この際立法を準備する人々の、内心の意図が問題ではない。
 これが為政者をしばっていないことが問題なのである。国会議員はヒットラー、悪代官が権力を握っても大丈夫の法律を作る責任がある。

10、まとめ
 コンピューターによる民衆の運動の威力は、反グローバリズムの市民運動で発揮された。
 (10人のメールリストを持つ人が10人に次々よびかけるネットをもっていれば、10の7乗は一億である。)
 また、環境、介護、自然食、健康、ごみ、地球温暖化などのNGO運動がもつ変革の力は官僚を畏怖させたであろう。
 Nシステム、住民基本台帳ネットなどで民衆を監視しつくし、一方では新しい時代の市民運動の力を総合的に抑圧する結果をもたらすのが、個人情報保護法である。

 個人情報保護法はコンピューター時代の治安維持法である。

http://www.azusawa.com/

関連情報
「個人情報保護法案拒否!共同アピールの会」
http://www.interq.or.jp/japan/s9d/
5.26 横須賀統一行動
■時間 5月26日(日)午後3時集合

■場所 横須賀市本町・ヴェルニー公園(臨海公園)・地図
       (JR横須賀駅下車すぐ、または京急・汐入駅から徒歩5分)

メディア総合研究所ホームページ
http://www1.kcom.ne.jp/m-soken/
(FAX、手紙などでの署名募集は継続中)

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