インターネットの電子掲示板での発言を無断で文庫本にまとめたのは著作権の侵害だとして、書き込みをした11人がホームページ(HP)の運営者と光文社などに出版、販売の差し止めや約250万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、「掲示板への仮名投稿も著作物に当たる」と差し止め請求を認めた上で、販売済み分の著作権使用料など約120万円の支払いを命じた。
だれでも気軽に書き込める掲示板での発言に著作権を認める初の判断で、はんらんするネット情報の二次使用の在り方に影響を与えそうだ。
判決理由で飯村敏明裁判長は「投稿文章の多くは思想や感情を創作的に表現しており、匿名のネット上での投稿文章でも著作物性を否定するものではない」と認定。
その上で「光文社はHPの運営者を通じるなどして出版の許諾の確認をできたのに全くせず、著作権を侵害した」と述べた。〔共同〕