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(回答先: Re:「トービン税」の導入を提唱 〔ＮＨＫ〕 投稿者 ＰＢＳ 日時 2002 年 4 月 14 日 21:55:44)
市民グループと先進国主導の国際機関との最大の対立点は、グローバル化への評価である。貿易や投資の自由化は経済開発のエンジンであり、貧しい国に外貨と雇用をもたらすとグローバル化の恩恵を強調する見方がある一方で、現在のグローバル化は市場を最優先する競争主義に陥り、貧富の格差や環境の悪化が拡大しているという反論がある。この対立が最も鮮明になったのがＷＴＯ（世界貿易機関）の新ラウンドをめぐる動きだった。番組では、ジンバブエのＮＧＯ代表でアフリカ諸国政府にも大きな影響力を持つヤシ・タンドン氏の活動を追いながら、現在の世界経済の基本的枠組みであるグローバル化が、世界にどのような影響を及ぼしているかを取材した。
◆ＷＴＯ会議が目指すもの
ＷＴＯは、１９９４年モロッコ・マラケシュで開催された「関税および貿易に関する一般協定」（ＧＡＴＴ）ウルグアイ・ラウンド閣僚会議の場で設立が決定した世界貿易推進のための国際機関。暫定的貿易協定であった前進のＧＡＴＴに対し、ＷＴＯは国際機関として、製品にとどまらず、サービスや知的所有権なども対象とした貿易の促進とルール強化などの環境整備を目指す。国際融資を行うＩＭＦ・世界銀行とともに、現在の世界経済の根幹をなすシステムである。９９年、シアトルの閣僚会議で見送られたＷＴＯ新ラウンドの開始へ向けての交渉は、去年１１月、カタール・ドーハで開かれた閣僚会議でようやく合意された。
１９９５年、ＷＴＯ発足と同時に初代事務局長となったサザーランド氏の発言より。
「ＷＴＯの目的は、公正かつ開かれた貿易を通じて所得を増やし、良質の雇用を生み出すことだ。各国の協力と努力によって、十分機能する多国間の貿易システムを打ち立てねばならない」
◆グローバル化とアフリカの貧困
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ヤシ・タンドン
アフリカの貧困の解決をめざすＮＧＯ「シアティニ」の代表。経済学者でもあるタンドン氏は、グローバル化に対抗する具体的な政策をアフリカ諸国の政府に提言し続けている。インターネットを使った独自の連絡網によって、アフリカ諸国の閣僚や政府高官と連携、シアトルのＷＴＯ閣僚会議では途上国の意見を集約する立役者の一人となった。
これまでアフリカが自分達の産業を作り出すために試みてきた全ての努力は、私が1990年代の局面と呼んでいるグローバリゼーションによって否定され、打ち消され、取り除かれ、破壊されてしまいました。ジンバブエの経済はそれ以来、下降を続けています。労働者の賃金は1990年の40%になりました。農業へ投入された助成金が取り除かれたために、農作物の価格が跳ね上がりました。輸入品として入ってくる外部からの競争相手が地元の産業を滅ぼし、何千人という人々が職を失いました。経済はほとんど崩壊状態となり、食糧暴動が起こりました。アフリカの指導者たちは、自由貿易なるものを信じさせられてきましたが、我々が輸出している商品は独占企業により売買されていて、我々には価格を決定する事は出来ません。彼等が価格を支配しており、自由貿易などと言ったものは存在しないのです。問題の本質はここにあります。アフリカがグローバル市場に参入する際に不公平な扱いを受けていることが、アフリカの貧困の根元にあるのです。
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