(回答先: SIGINT Overview 投稿者 fas 日時 2002 年 4 月 04 日 14:56:19)
日本スペースガード協会は4日、日本を見下ろす高度約3万6000キロの静止軌道上に直径約50メートルの巨大物体があるのを望遠鏡で発見、撮影に成功したと発表した。
同物体は継続的に軌道制御を行っており、運用中の人工衛星であることは明らか。同協会は、米国が通信傍受などのため極秘運用しているパラボラアンテナ型の電子偵察衛星の1つの可能性が高いとみている。
巨大物体は東経120度のインドネシア付近の赤道上空にある。日本を含む東アジア一帯の通信電波やレーダー波を傍受し、軍事や外交情報を収集しているらしい。
発見したのは昨年12月22日。同協会の美星スペースガードセンター(岡山県美星町)に完成した口径1メートルの望遠鏡の性能テスト中に偶然見つけた。
明るさは9等星ほどで静止軌道上の人工衛星としてはきわめて明るかった。同協会は、明るさから物体の直径は約50メートルと割り出した。観測を続けたところ、同物体は常に軌道制御を行って、厳密に位置を維持していることが分かった。
地球を回る人工衛星は米空軍が観測し、米軍事衛星を除き軌道などのリストを公開しているが、この物体は記載がなかった。
米科学者連盟によると、米国は通信傍受のため1970年代から静止軌道に大型衛星を極秘に配置している。現在は、80年代半ば以降に打ち上げた直径数十〜100メートルのボーテックスやマグナムなどの衛星が運用中とみられる。傍受した通信は国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)が解析しているという。
小出力の通信機器の電波も傍受でき、湾岸戦争時もイラクのクウェート侵攻の兆候をつかむなど威力を発揮したとされる。商業情報を含む世界的通信傍受計画「エシュロン」に組み込まれているとの見方もある。
同協会は、発見した物体はこうした極秘衛星の1つと考えられるとしている。
ZAKZAK 2002/04/04