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※2021年1月29日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年1月29日 日刊ゲンダイ2面
【問われるリーダーの器と度量】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) January 30, 2021
首相が「精一杯やっている」とムキになる愕然
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/vIcNVr5Gza
※文字お越し
「私は寝てないんだ!」――。
今なお歴史に残る“逆ギレ”を覚えている方は多いだろう。2000年6月末に発生した雪印乳業の集団食中毒事件。最終的に被害者は大阪を中心に約1万5000人に上る戦後最悪の事態に発展した。
同年7月4日に会見を行った当時の雪印社長は、記者からの質問攻めに冒頭の言葉を吐き捨てた。食中毒の公表や製品回収が後手に回り、被害を拡大させたと批判される中、およそ大企業のトップとは思えない捨てゼリフ。眠れぬ日々を過ごす被害者やその家族に寄り添う気持ちなど、みじんもない。
当然、雪印への不信はさらに高まり、ブランドイメージも失墜。社長は辞任に追い込まれた。雪印グループも2年後の雪印食品の牛肉偽装事件がトドメとなり、事実上の解体を余儀なくされた。
伝説の会見から20年余り。自由民主党改め、緊急事態宣言下に深夜の酒場訪問が絶えない「自由飲酒党」のトップの口から、雪印のたどった行く末を彷彿させる逆ギレ発言が飛び出した。
「私自身は精いっぱい(コロナ対策に)取り組んでいる!」
27日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫議員の追及に、菅首相が気色ばんで反論した。自宅・宿泊療養中に容体が急変し、亡くなった感染者への思いを聞かれ、菅は「大変申し訳ない思いだ」などと2度陳謝。それでも蓮舫に「そんな答弁だから言葉が伝わらない。国民に危機感が伝わらない」と畳みかけられると、菅は「失礼じゃないでしょうか」とブチ切れたのだ。
「政治は結果責任」ではなかったのか
既に国会の場で何度も頭を下げた菅に、「その程度ですか」と繰り返し謝罪を要求。感情任せに怒りをぶちまけた蓮舫もどうかしているが、菅も菅だ。「精いっぱいやっている」と今さらムキになって強調されても、国民は愕然とするほかない。
SNS上では蓮舫批判のほか、〈一生懸命やっているのかさえ分からないくらい結果がついてきていない〉〈結果が出ていないのは総理の資質に欠けている証左〉などと、改めて菅の資質を問う声が上がっている。
蓮舫は28日、自身のツイッターで「想いが強すぎて語気を張ってしまう」と反省の弁をつづったが、菅の言葉にはその「強い想い」が一切、感じられない。国民はコロナ対策に挑む情熱と意志を込めたリーダーの言葉を欲しているのに、常に原稿に目を落とし、ブツブツつぶやくだけ。
声を強めても当たり前のことを誇張するのみ。トップとしての自覚に欠け、苦しむ人々に寄り添わない菅は、雪印の“逆ギレ”社長とウリ二つだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「コロナ禍と闘う世界各国のリーダーのうち、成果を出せずに『精いっぱい取り組んでいる』と言い訳するのは、菅首相ただ一人。一国の指導者というより政治家失格です。しかも、施政方針演説でコロナ対策に『あらゆる方策を尽くす』と約束しながら、不要不急な『GoTo』予算1兆円をかたくなに崩さない。増加する生活困窮者には『最終的には生活保護がある』と突き放し、定額給付金などの救済策にはビタ一文出そうとしない。どこが『精いっぱい』なのか。そもそも菅首相は官房長官時代から『政治は結果責任』と言い続けてきました。結果を出せないなら、潔く辞任すべきです」
コロナ禍に恐怖人事にかまける異様な精神 |
コロナ無策の菅に、今や全国民が「総理の器ではない」と見透かしている。支持率ガタ落ちもその表れ。それでなくても、この非常時に漏れ伝わってくるのは、菅の官邸でのイライラ言動と、目をこすりたくなるような暴君ぶりばかりだ。
〈菅「師走の恐怖人事」 更迭官僚が書かされた「謝罪名刺」〉と題した今週発売の週刊文春の特集記事には驚いた。
菅の逆鱗に触れたのは、国交省所管の「鉄道・運輸機構」の理事長と副理事長。理由は北陸新幹線(金沢―敦賀間)延伸工事の遅れ。2023年春の開業予定が1年半延期となり、工事費も約2900億円増えた。
記事によると、機構が過去に地元・横浜の事業でも遅れを出したこともあり、菅は「またやったのか。機構の体質は全く変わっていないな」と官邸でイライラを爆発。北陸は総裁選で支援を受けた清和会の牙城だ。菅は石川の地方紙「北國新聞」の元日インタビューで「機構の大改革をやりたい」と踏み込んだ。
昨年12月、国交省が機構に業務改善命令を出したのを受け、理事長と副理事長は辞意を表明。北陸出身の自民党議員らの議員会館事務所を“謝罪行脚”し、渡した名刺には手書きで〈引責辞任致します〉〈ご迷惑をおかけして申し訳ございません〉と記されていた。
恐怖人事は2人の辞任では終わらない。従来、機構プロパーの技術職が務めてきた副理事長ポストに、菅とは関係良好な国交省の官房長が現役出向の形で就任。文春は〈コロナ対策が急務の中、機構の人事は首相が関与するような案件ではない。しかし、首の挿げ替えを見せつけることで、官僚たちを屈服させようとしたのでしょう〉という「国交省幹部の指摘」を紹介している。
このコロナ危機を前に、いまだ「恐怖人事」にかまける異様な精神には背筋が凍る思いだ。
懐の深さを継承していないダメな弟子
菅の政治力の源泉は「恐怖による官僚支配」だ。自著には第1次安倍政権の総務相時代に意に沿わないNHK担当課長を更迭したと、自慢げに記している。その際、菅は興奮を隠せない様子で「課長を飛ばしたよ、飛ばしてやったよ」と言ったという。以上の出典は朝日新聞デジタルの連載「プレミアムA『未完の最長政権』」によるが、菅の強権発動は官房長官時代にエスカレート。
17年には国交省の次官候補だった鉄道局長を格下の自動車局長に降格。訪日観光客用の鉄道乗車券の販路拡大を目指す菅の指示に従わなかったことへの見せしめだ。国交省では18年にも、森友問題で菅の不興を買った大臣官房参事官が、エリートコースの人事課長に昇格できず、別ポストに飛ばされた――と朝日の連載には、菅の恐怖エピソードが「これでもか」と出てくる。
批判や反対意見を唱える官僚を排除し続ければ、報復人事に辟易して誰もが何も言えなくなる。菅は周囲に太鼓持ちしかいない“裸の王様”だ。この狭量さが、全てのコロナ失政につながっているとしか思えない。
菅は施政方針演説で、故・梶山静六元官房長官の教えを紹介していた。その「政治の師」は番記者たちに「俺に関する悪評をすべて教えてくれ」と言って、定期的に「悪口会」と称する会合を開いたそうだ。そんな懐の深さを何ひとつ継承していない“ダメな弟子”が、菅その人だ。
多種多様な意見に耳を傾け最善策を探る。与野党も役所も民間もまとめ、一丸となって協力し合う体制をつくる。こうしたコロナ禍に求められるリーダー像から最もかけ離れている人物が首相に君臨する国は不幸だ。
「菅首相は恐怖人事で官僚の公に尽くす精神を粉々にした“破壊者”。能力や徳、品性もなければ、心の広さもない。多くの国民も心の冷たい人だと見抜いています。寛容さのない人物は政治家になるべきではなく、ましてや力ずくで相手を抑え込むだけのリーダーは危うい。冷静さを欠き、周囲が腫れ物扱いの首相に、この国難を乗り切れるわけがないのです」(政治評論家・森田実氏)
雪印同様、トップの逆ギレの果てに自民党が解体したって一向に構わない。ただ、この国の崩壊だけは全力で食い止めるべきだ。国難突破がますます絶望的になる前に一刻も早く、菅政権を退陣に追い込むしかない。
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