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辺野古新基地を造りたいのは米軍よりもむしろ陸上自衛隊 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284435
2021/01/28 日刊ゲンダイ
米軍との実動訓練を行う陸自の水陸機動団(2020年2月、沖縄県金武町の米軍ブルービーチ訓練場)/(C)共同通信社
米海兵隊のためにと称して日本政府がしゃにむに建設を強行してきた辺野古新基地に、陸上自衛隊の「水陸機動団」を常駐させることで陸自と米海兵隊の間で密約が交わされていたことが発覚した(沖縄タイムス1月25日付)。これは前々から言われていたことで、例えば私自身、昨年9月に那覇で開かれた講演会で「辺野古は、完成した暁には『日米共同管理』の名で自衛隊が入り込み、19年に創設された『水陸機動部隊』もオスプレイを伴って佐世保から移駐するでしょう。辺野古を何が何でも造りたがっているのは米軍よりもむしろ自衛隊」と語っていた(東アジア共同体研究所編「沖縄を平和の要石に1」〔芙蓉書房出版、20年12月刊〕に講演録所収)。
これに先立って、陸自はすでに与那国、石垣、宮古、奄美などに着々と基地を建設し、それを「南西諸島戦略」と呼んでいるが、その行き着く先が陸自の辺野古移駐である。ところが、上記の講演でも触れているが、この南西諸島戦略というのは当初、北朝鮮が体制崩壊して一部武装した難民が大挙して日本に押し寄せ離島を占拠するという想定で語られ始めたもの。今から十数年前、ある文化団体で私と後に防衛相となる森本敏(現拓殖大学総長)とがトークする機会があり、私が「あの北の難民というのは一体何なの。仮に北で難民が発生しても、鴨緑江を徒歩で渡って中国東北へ逃げる。日本を目指そうとしても、あの国には船がない。架空話でしょ」と問うと、彼は苦笑いしつつ「あれはねえ、冷戦が終わってソ連軍が北海道に上陸してこないことになって、戦車を並べて待ち構えていた陸自がやることがなくなっちゃったんだよ」と言った。「だったら陸自を削減して軍縮すればいいのに」と私。
そうこうするうちに野田政権になって、尖閣「国有化」の愚挙で一気に日中間が緊迫。すると今度は中国軍が尖閣を奪い、島伝いに沖縄本島から九州を狙うという話にスリ替わって「南西諸島戦略」が蘇った。そもそも中国が日本に武力侵攻することのメリットなどあるわけがないし、仮に侵攻するにしても、今どき、敵前上陸で島を次々に奪うという古色蒼然たる作戦を採ることはあり得ない。でも「中国の脅威が迫っている」というフィクションを維持して、何とか陸自の居場所をつくろうという本末転倒の末の倒錯が、水陸機動団の辺野古進駐をもって完成するのである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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