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マスク会食のお笑い 感染者数を正確に掴んでこその対処法 中村敦夫 末世を生きる辻説法
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283585
2021/01/08 日刊ゲンダイ
対処法が「マスク会食」とは…(C)共同通信社
緊急事態宣言を出したからといって、何か抜本的に変わるだろうか。
昨年の第1回宣言の後は、確かに感染者数が減少した。人々が世界的パンデミックに驚き、行動を自粛したからだ。有効な薬品や医療技術が見つかったからではない。
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それにしても、政治は感染症を甘く見過ぎたようだ。マスク、手洗い、3密を経のように唱えていたら、アッと言う間に1年が過ぎ、患者数はけたたましく増えていった。菅政権の対処政策となると「マスク会食」くらいしか思い浮かばない。しかし、これは笑える。大いに笑える。
会食とは、皆でおいしいものを食べ、楽しいおしゃべりを交わすことだ。口を開けたら物を放り込み、すかさずマスクで塞ぐなんて、腹話術師だって無理だろう。この政策発表が、国連総会の場でなかったことが唯一の救いである。
そうでないと、日本人がニューヨークを歩く時、恥ずかしくて覆面をしなければならなかったろう。
さて、ガースー首相としては、緊急事態宣言にかなり消極的だった。自分が先を読めなかったこと、何もできなかったこと、つまり無能であったことが見え見えになるからだ。それに、宣言自体が物々しいだけで、具体的には何も規定していない。
むしろ、新型コロナ特措法を基に、国と自治体が話し合いを持ち、営業対象や期間に規制をかけるという方がわかりやすい。それを可能にするために、宣言が前提となっているという話か。
さて、事態が悪化の一途をたどる今日、知事たちの立場もアタフタしたものになった。このままでは非難のシャワーを浴びることになる。何かやってる感じを出したいとなると、知事の裁量権が法的に保障される改正特措法に乗るのが得策だ。
こうしたパフォーマンスは、小池都知事のお得意芸だ。正月2日から神奈川、千葉、埼玉の3知事を引き連れ、西村大臣の部屋に乗り込んだ。要求は、「緊急事態宣言を発出せよ」だ。これには、内閣が面1本取られた。要求を断ったら、ガースーだけが国民の敵になってしまう。小池は、飲食の時短を2時間早める約束を置き土産にした。ガースーが、感染拡大は会食、飲食が原因だと信じ込んでいると見透かしてのことだった。しかし、こんなことだけで惨事が収まるとは思えない。
今、関係者がやるべきことは、無症状の感染者を、検査を増やして見つけ出すことだ。感染者の数を正確に掴んでこそ、対処法を発見できる。
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