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コロナ変死増…7割が死後に陽性「医療体制はもはや論外」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/283549
2021/01/07 日刊ゲンダイ
危機感ゼロ(C)日刊ゲンダイ
新型コロナ第3波が勢いを増している。6日の感染者はとうとう6000人を超え、過去最多を更新した。感染拡大の長期化で、すでに医療機関はパンパン。昨年末から助かる命が助からない事態が進行している。
◇ ◇ ◇
警察庁によると、新型コロナに感染後、医療機関以外の自宅などで体調が急変し死亡した人は昨年3〜12月で122人。4月の21人を除き、11月までは10人以下で推移していたが、12月は56人へと急増した。
56人のうち50人は自宅や高齢者施設、療養先のホテルなどで死亡。6人は外出先の路上や店のトイレで亡くなった。体調が悪化したが、医療機関の受診に時間がかかり、死に至ったケースもあるという。
驚くことに約7割にあたる38人は死後のPCR検査で陽性が判明している。体調が悪かったのに検査を受け入れなかったか、無症状のまま急死したと思われる。
死後判明のコロナ死は、5日の都の発表でもあった。同日の死亡者14人のうち3人は、救急車で運ばれて、死後の検査で陽性が判明している。適時・適切なPCR検査ができていないのだ。都内のある男性は、この年末、発熱相談センターにPCR検査をリクエストしたが、4日間の様子見を指示され、結局、受けさせてもらえなかった。
医療崩壊進行、助かる命が助からない |
コロナ患者の急死や死後の陽性判明が増えているのは、医療と検査体制が回っていないからだ。
6日に開かれた厚労省の「アドバイザリーボード」は、入院調整が困難な事例があり、入院待機を余儀なくされるケースが生じていることを指摘。日本医師会の中川俊男会長も、6日の会見で「現実はすでに医療崩壊だ」と強い危機感を示した。
東京都では6日時点で、自宅療養の約4900人と入院・療養等調整中の約3500人が、医療機関以外での療養や待機を余儀なくされている。確保病床3500床に対し、3090人が入院していて、ほぼ空きがないからだ。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。
「都の自宅療養と調整中の計8400人は容体が急変しても、医療従事者がすぐに対応できない可能性が高く、死亡のリスクは高まります。加えて、都の集計には出てきませんが、PCR検査を受けられずに、感染を自覚していない陽性者も急変死する恐れがある。死後の検査で陽性が判明する事態を招いているのは、医療提供体制としてはもはや論外です。今からでも検査体制の充実や宿泊療養の徹底、都立病院をコロナ専用病院にするなどできることはあります。菅首相や小池知事からは医療体制についての危機感が感じられません」
1月の死者4000人超えも |
グーグルの感染予測(6日時点)によると、1月4日から1月31日までの28日間で感染者は19万超(1日あたり6800人)、死者は4550人(同162人)。わずか28日間で、これまでの累計死者数約3800人を上回ると見込んでいるのだ。
手遅れ感は否めないが、菅首相や小池知事は医療提供体制に総力を挙げるべきだ。
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