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※2020年12月17日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年12月17日 日刊ゲンダイ2面
【Go Toだけじゃない錯乱】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 18, 2020
誰もが口にし始めた「菅じゃやっぱり無理だった」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/2Q2H0bjaus
※文字お越し
「他の方との距離は十分にあったが、誤解を招くという意味においては真摯に反省しております」
下校途中の買い食いは禁じられているのに、ガキ大将にノコノコついていったのがバレた小学生みたいな言い訳だ。新型コロナウイルスの感染再拡大を巡り、政府が「勝負の3週間」と国民にハッパをかけた最終日の16日、ぶら下がり取材に応じた菅首相はこんな情けない釈明に追われていた。肝いりの「Go To トラベル」の全国一斉停止(28日から来年1月11日まで)を表明した14日、自民党の二階幹事長ら8人で「夜のステーキ会食」を楽しんだことが物議を醸したためだ。その前段、「先週末に3000人を超える(新規)感染者があった。高止まりの状況を真摯に受け止めている。専門家からは、飲食の場面は感染リスクが高いと指摘されている」と眉をひそめていたのだから、その言動は支離滅裂。口先だけにもほどがある。
16日の感染状況も深刻だった。東京都では過去最多の678人の新規感染が判明。全国の新規感染者は過去2番目に多い2994人を数え、最多に並ぶ53人が死亡した。さらに、17日は新たに800人を超える感染者が確認され、2日連続で過去最多を更新した。
北は北海道、南は沖縄まで14都道府県が飲食店に対して営業時間の短縮や休業、酒類提供の制限を要請中。広島市を目的とする旅行は一斉停止を待たず、トラベル事業の追加対象外が決まった。「Go To イート」「Go To イベント」もトラベル事業と同期間は全国一斉停止。「感染拡大防止と経済社会活動を両立させる」と菅がいれ込んでいた事業が次々に頓挫に追い込まれているが、錯乱はGo Toにとどまらない。
この期に及んでも利権と思惑丸出し |
閣議決定された今年度第3次補正予算案は総額21兆8353億円。そのうち新型コロナ向けの追加経済対策に対応するのは19兆1761億円とされているが、本来の目的であるはずの新型コロナ拡大防止策に投じられるのは、たったの2割。
医療機関向け緊急包括支援交付金の増額に1兆3011億円、ワクチン接種体制整備に5736億円、時短営業への協力金に使える地方創生臨時交付金の増額に1兆5000億円……。締めて4兆3581億円に過ぎない。菅政権の「生みの親」でもある二階が絡む国土強靱化などに3兆1414億円が充てられるほか、ポストコロナに向けた経済構造転換と称した11兆6766億円はドサクサ紛れの火事場ドロボーがアリアリだ。菅が新たに看板に加えた脱炭素化を支援する基金創設に2兆円が回され、トラベル事業とイート事業の延長にそれぞれ1兆311億円、515億円が計上されている。
毎日新聞の世論調査(12日実施)では、トラベル事業を「利用したことはない」との回答が68%に上っていた。国民の7割が利用もしていない世紀の愚策に追加で1兆円超の予算措置。コトここに至っても、「今だけカネだけ自分だけ」。菅は支持基盤の観光業界のためだけでなく、二階や利権に群がる連中に忖度しているのだ。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。
「新型コロナ関連の数字は悪化傾向に歯止めがかからず、各地で医療体制が逼迫し始めている。北海道旭川市や大阪市には自衛隊の看護師が派遣される危機的状況です。この異常事態を察知していないのは、官邸と自民党中枢だけなのではないか。3次補正を賄うのに国債を22兆3950億円も追加発行し、フタをあければ不要不急策ばかり。そもそも、恩恵が一部に偏る経済政策なんて政策とは言えません。ネット上では〈アベノマスクの次はガースートラベルか〉などと呆れられている。この期に及んでも利権と思惑の丸出し。それを国民に見透かされて恥ずかしくないのでしょうか」
16日は菅政権誕生から3カ月を迎えた節目でもあった。女房役の加藤官房長官は会見で「国民のために働く内閣として、国民目線で当たり前のことが当たり前にできるよう、一つ一つの課題に取り組んできた3カ月だと考えている」などと歯の浮くような模範解答を並べていたが、党内からも「やることが中途半端」「いまさらトラベル停止で内閣支持率は戻らない」などと批判ゾロゾロ。「菅じゃやっぱり無理だった」と誰もが口にし始めている。
支持率急落でさらに遠のく定額給付 |
当たり前のことが分からない、国民よりも自分優先、政策のトンチンカンに霞が関は疲弊し、どんどん人が離れている。特にひどかったのが、やはりトラベル事業の全国一時停止だ。所管の観光庁に方針が伝えられたのは、菅が表明する直前。そのため赤羽国交相が東京都を目的地とする旅行について「14日から一時停止」と誤って発表し、半日ほど過ぎた翌日明け方に変更点を発表する突貫工事だった。このドタバタをして、菅による「急転直下の政治決断」との解説もあるが、“敗戦処理”に駆り出される方はたまらない。
国交省は旅行会社や宿泊施設などの事業者向けに電話の特別相談窓口を地方出先機関に設置。書き入れ時の年末年始に人の動きが止まれば、経営のさらなる悪化は必至だからだ。雇用維持などの相談に応じるほか、政府の雇用調整助成金や融資支援といった制度も紹介するという。経産省の出先機関である経済産業局や厚労省の都道府県労働局とも連携するというが、イートやイベント事業も中止で仕事は山積みだろう。「補償」という名の血税乱費も生じる。科学的知見に目もくれず、専門家の意見に耳を傾けず、独断専行で突っ走ってきた結果がこうだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「菅首相が肝いり事業への固執で感染再拡大に拍車をかけた。そればかりでなく、引き時を見誤まったことで、恩恵を期待していた関連業界の書き入れ時に人の動きを止めてしまい、かえって大きな打撃を与えつつある。冬が迫るにつれ、感染が再燃する可能性が高いのは分かっていたことです。それなのに、根拠のない楽観論で感染を抑え込めるとタカをくくっていた。特別定額給付金の2次、3次支給に税金を投入した方がよほど効果を上げたのではないか。金銭面の支援だけでなく、政府に見捨てられていないという安心感にもつながったはずです。しかし、菅首相は給付金を政権浮揚の最後の切り札だと考えているのでしょう。そのカードを切るのは解散・総選挙の間際でなければ意味がない。となると、支持率が急落し、解散を打てなくなった菅首相が給付金を出し惜しむ。給与補償や事業継続の支援で社会経済活動の維持に腐心する欧州との違いは歴然です。無能な政権に場当たりを許していたら、人災は広がる一方です」
立憲民主など野党4党は3次補正予算案を巡り、新型コロナ対策に直接関係のない事業が盛り込まれているとして、首相が出席する予算委員会集中審議を求めたが、自民は案の定の難色。閉会中審査の23、24両日実施でまとまった。政権発足から100日間はお手並みを拝見するハネムーン期間は間もなく終わる。マトモな新型コロナ対応は待ったなしだ。政権のデタラメを止められなければ、野党にも厳しい目が向けられることになる。
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