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10月5日の内閣記者会のインタビューで、会員候補6人の任命を拒否したことに関して記者から「研究者の中では、これは学問の自由の侵害ではないかという指摘があります。これに対してのお考え」はと聞かれて、菅総理は、「学問の自由とは全く関係ないということです。それは、どう考えても、そうじゃないでしょうか」述べた。
総理のこの発言は、日本語の用法としては、「学問の自由とは全く関係ないということです。それは、(いろいろと考えてみたが)どう考えても、そうじゃないでしょうか」ということである。そこで、学問の自由とは全く関係ないということについて、菅総理がいろいろと考えてみたことを説明すべきである。
菅総理が自ら何も考えていなくて「それは、どう考えても、そうじゃないでしょうか」と言ったのであれば、全くの無責任な発言である。
学問の自由については、日本国憲法第23条は「学問の自由は、これを保障する。」と定めている。
戦前、「滝川事件」や「天皇機関説事件」などにみられるように、国家に都合の悪い学問や研究は、国家の政策にそぐわないという理由で、時の政権や軍部が学者を大学から追放し、その著作を発禁処分にするなど弾圧した。天皇機関説が否定されたことによって議会主義・政党政治の理論的基礎が失われ、国体明徴運動により国民も煽られて、翼賛体制を生み、アジア太平洋戦争に突き進む契機となった。日本国憲法において学問の自由を規定した根本的な理由は、国家に都合の悪い学問や研究は国家の政策にそぐわないという理由で弾圧したことが、日本を破滅する戦争へと向かわせ国民に多大な犠牲を強いることになったとの深い反省にある。
憲法前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と記載されているように、日本国憲法第23条はこの決意の一つの帰結である。
日本国憲法第23条によって「学問の自由は、これを保障する」ことの最も重要な点は、時の政権に都合の悪い意見や見解を示した学者や研究者を正当な理由なく排除しないということである。学問の成果の判断は究極的には国民が行うのであり、政府により予め特定の学問や研究の結果を排除したのでは、国民は学問の成果を受け取ることができないからである。
日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した今回の問題について、6人の学者が学術会議の会員という特別職国家公務員に任命されなかっただけで、大学教授として自由に研究を行うことができるのであり、また他の学者や研究者の「学問の自由」には影響はないとする意見もあるが、問題の本質は時の政権に都合の悪い意見や見解を示した学者や研究者を正当な理由を示さずに排除したということにある。これこそが、まさに憲法第23条の「学問の自由は、これを保障する。」に違反するのである。
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