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※2020年12月11日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年12月11日 日刊ゲンダイ2面
【それを許したのは大マスコミ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 13, 2020
全てが尻切れトンボに
国民は行き場のない怒り
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/Agg0SFoSnQ
※文字お越し
75歳以上の医療費負担を「2倍」に増やす過酷な高齢者いじめ――なぜ大マスコミはハッキリとそう表現しないのか。
「2割に引き上げる」なんて生やさしい言葉より「倍増」と断じた方が、高齢者の痛みをもっと共有できるはず。「権力の監視役」を自任するなら、庶民を苦しめる菅政権の冷酷な姿をありのままに伝えるべきだ。
医療費負担「2倍増」の対象範囲を巡り、9日夜の会談で菅首相と公明党の山口代表が大筋合意。
単身世帯の「年収200万円以上」と対象人数約370万人(75歳以上の23%)でまとまったが、このトップ会談には「茶番」のにおいがプンプンする。
対象人数が約520万人(31%)の「年収170万円以上」を訴える菅と、約200万人(13%)の「年収240万円以上」に固執する公明党。
大マスコミは「互いに譲らず、自公両党の調整は膠着状態」と報じていたが、1時間半に及ぶトップ会談の結果は「足して2で割る」典型的な妥協案で決着である。
170万円以上の菅案だと、現役世代の負担を1220億円抑制できる効果があった。菅は若い人たちの味方ヅラ、対する公明は高齢者の守護神気取り。1年以内に迫る次期衆院選を意識して、互いにアピールする世代をすみ分け。
一部メディアは「首相、ギリギリの譲歩」と書いたが、しょせんは与党同士の単なる票欲しさの出来レースではないのか。
菅は山口との会談当日の昼に、旧知のベテラン政治記者と会食。ランチが終わると、ベテラン記者は「首相は譲る気は全くない」と明かしていた。本人にその意思はなかったのかもしれないが、メディアの一員が菅たちの茶番に一役買っている場合ではないだろう。
2倍増とハッキリ報じるべき
医療費負担2倍増の実施時期は2022年夏の参院選後の同年10月以降という公明党の望みを自民も受け入れる方針。つくづく、選挙のことしか考えない連中だが、ちょうど、この年から75歳以上になり始める「団塊世代」を狙い撃ちだ。
既に75歳以上で現役並みの所得(年収383万円以上)がある人は、現役世代と同じく医療費の3割を負担している。倍増対象者の約370万人が加われば、75歳以上の実に30%が2割以上の負担の網にからめ捕られることになる。
昨年、厚労省が実施した国民生活基礎調査によると、世帯主が75歳以上の平均可処分所得は年間290万3000円。世帯人員1人当たりにならすと、年間149万7000円に過ぎない。なけなしの年金にも税を課され、月々10万円ちょっとで暮らす人々の実態を、菅政権も大マスコミも理解しているのか。
「大体、この新型コロナウイルスの感染拡大期に、高齢者の医療費負担を議論すること自体、正気ではありません。高齢者ほど重症化リスクが高く、菅政権も『外出自粛』を呼びかけているのに、『医療費をもっと払え』とは恐るべき二枚舌です。新規感染者も重症者も死者も連日のように過去最多を更新する中、メディアの『医療費引き上げ』のアナウンス効果で、高齢者が受診を控えて健康を害したら、どうするつもりなのか。それでいて『負担2倍増』と報じないのですから、メディアは負担増を小さく見せかけたい菅政権におもねっているように見えます」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
訳知り顔のゆるゆる追求でツケ上がる政権 |
政府・与党のいじめの対象は高齢者だけではない。児童手当も縮小だ。見送られたとはいえ、一時は所得制限の算定基準を「世帯主」から「夫婦の合計」に変えることを検討。ターゲットは「共働き世帯」だ。菅は「安倍路線継承」を掲げるが、「女性活躍」「少子化は国難」のスローガンは捨てる気なのか。
コロナ禍など、お構いなし。この政権が談合与党と血道を上げているのは庶民いじめの冷酷政治だ。大マスコミは誰に遠慮して、その実像をぼかしているのか。
検察捜査を機に、桜を見る会「前夜祭」の費用補填が発覚。同時にこの1年、安倍前首相が国会で虚偽答弁を延々と繰り返したことも判明した。野党は証人喚問を視野に安倍の国会招致を要求するが、実現する気配はない。
国民を欺いた説明責任を取るのも「捜査終了後」などと、ふざけた論法もまかり通っているが、たわ言に過ぎない。
ロッキード事件を例に出すまでもなく、捜査中でも国会での「説明」を求めるのは当然だ。「戦後最大の汚職事件」から半世紀近く。若い世代のために記しておけば、当時は事件の重要関係者が次々と偽証に問われる証人喚問に招致され、その都度、全国にテレビ中継されたものだ。
政商で知られた国際興業の小佐野賢治氏から、今や常套句の「記憶にございません」が飛び出したのも喚問の場。当時の三木首相がライバルの田中角栄元首相に一泡吹かせたいとの思惑があったとはいえ、「捜査中」を理由に国会に出てこないなんて道理は通らないのだ。
大マスコミだって安倍にだまされた当事者。連日「安倍は招致に応じろ」と書き立てても、おかしくない立場なのに、そんな怒りはみじんも感じられない。腑抜けだ。
世界でもまれな闘わないメディア
「桜疑惑は“総理の犯罪”です」と、前出の五十嵐仁氏はこう言った。
「最も法の模範を示すべき総理の事務所が法を犯した疑いは濃厚です。安倍氏本人が裁かれなくても、政治責任は消えません。招致逃れは許されないと、なぜメディアはキャンペーンを張らないのか。東京高検検事長だった黒川弘務氏の賭けマージャンも同様です。法律を順守すべき立場の人が、賭けレートが高額とは言えないなどと口頭注意にとどまり、刑事罰にも問われない。国民感情を逆なでする話なのに、メディアは『テンピンはセーフ』などと訳知り顔で済ませてしまう。黒川氏と雀卓を囲んだメディアにすれば桜疑惑は汚名返上の好機なのに、『秘書の略式起訴』などと検察情報をタレ流すのみ。マージャン仲間の体質は何も変わっていないとしか思えません」
桜疑惑で立件される見通しの秘書は政治資金規正法違反に問われる。容疑は約4000万円の不記載で、その額から「悪質性が高いと判断された」と大マスコミはしたり顔。だったら少額なら同じ容疑でも許されるのか。検察だって官僚機構のはしくれ。妙な政治家の「起訴基準」は政界とのあつれきを避けたいだけだろう。そこを追及するメディアも皆無だ。
日本学術会議の任命拒否問題に深く関与した杉田和博官房副長官の国会招致もウヤムヤ。当選無効が確実ながら、冬のボーナスも満額受け取った河井案里参院議員は逃げ回り、西川公也、吉川貴盛両元農相の鶏卵疑惑コンビも、政府や党の役職を辞任しただけでトンズラである。
これだけ腐臭が漂う政権でも、メディアの追及がゆるゆるなら、ツケあがる。全てが尻切れトンボになりそうな気配を許しているのは、大マスコミの責任である。
「ロシアのような権威主義体制なら、いざ知らず。ここまでメディアが闘う姿勢を失った国は世界でも、まれです」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。こう続ける。
「まだメディアが健全だった30年前なら、鶏卵疑惑なんて一発アウト。吉川元農相は即、議員辞職だったでしょう。菅政権の庶民いじめと政治腐敗は歴然で、今こそ全メディアがスクラムを組んで追及すべきなのに、その矛先を向けるのは不倫芸能人だけの体たらくです。第2次安倍政権以降、すっかり懐柔されてしまった印象です」
大マスコミと庶民感情は乖離するばかり。国民は行き場のない怒りをどこにぶつければいいのか。
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